内容説明
ぼくは実にしばしば正気に立ちかえる。今の状態は、現実なのか、己れの紡ぎ出した妄想の中にいるのではないか…。一九九八年から九九年末にかけての「日記」という形で綴られた、嘘の中の真実、虚実の別なき、妄想―。究極の「私小説」。
著者等紹介
野坂昭如[ノサカアキユキ]
昭和5年(1930)、神奈川県鎌倉に生まれ、養子にゆき神戸に育つ。戦災にあい、のち、実家に引き取られる。旧制新潟高校から早稲田大学仏文科に進むが、32年中退。CM作詞家を経て、『エロ事師たち』で作家となる。43年『アメリカひじき・火垂るの墓』で直木賞を受賞。平成9年『同心円』で吉川英治文学賞を、同14年『文壇』で泉鏡花賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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