中公文庫<br> 双調平家物語〈7〉保元の巻

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中公文庫
双調平家物語〈7〉保元の巻

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  • サイズ 文庫判/ページ数 374p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122052208
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

皇后得子の勢威が強まると確信し崇徳院との通いを絶つ忠通。鳥羽院の威光は崇徳院に伝えられると断じて接近する頼長。錯綜する人間関係に欲望と愛憎が綯い交ぜられて軋む鳥羽院政。

内容説明

白河院崩御の後、御世を掌握した鳥羽院。崇徳帝は御位を逐われ、近衛帝の即位によって「国母」となった鳥羽院の寵姫藤原得子は、皇后の位を贈られる。得子の勢威がさらに強まると確信した摂政忠通は、崇徳院との通いを絶ち、得子に仕えることを選ぶ。一方、鳥羽院のご威光は崇得院に伝えられると思う内大臣頼長は、崇得院との好誼を深める。「朕が亡き後は、さぞかし世は乱れるであろう」―そして世は保元の乱へと進む。第62回毎日出版文化賞受賞。

著者等紹介

橋本治[ハシモトオサム]
1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。77年『桃尻娘』で講談社小説現代新人賞佳作。以後、小説・評論・古典の現代語訳・戯曲・エッセイ等、あらゆるジャンルに精力的な執筆活動を行う。96年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、05年『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、08年『双調平家物語』で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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優希

66
保元の乱の軸が見えてきたようです。鳥羽上皇が御世を掌握したのが起源と言えるでしょう。鳥羽院の寵姫・藤原得子の権威が強まると確信し、得子に仕えることを選ぶのは曲者だなと思わずにいられません。内大臣頼長はかつて鳥羽上皇と関係のあった崇徳院との関係を深めるのもわかります。いよいよ保元の乱が起こるのでしょうか。2019/05/23

小葉

6
白河帝亡き後の鳥羽、崇徳、近衛・・存在感今ひとつ。摂関家をはじめとする藤原の一族の思惑。娘を捧げたり婿を取るだけでなく、養女に猶子と複雑な系図が描き出される。低い身分の生まれの者も「寵」を受けることにより成り上がる。男寵の巻とも言えそうな巻。「保元の巻」ね・・・ホ・ゲ・・。2010/09/14

筋書屋虫六

5
これまでの巻でじわじわ感じるものはありましたが…、平家物語の低調に流れているのは男色だったのですね。しかし、ぬるっとした白い肌で下ぶくれ丸顔にちっちゃい鼻の公達がまぐわう描写は、ちと〜(汗)。平安の美意識がうらめしい。放埒なる絶対者・白河院の乱しに乱した御代で、朝の歪みは修正つきがたく、貴族たちが男寵の手管を競いながら出世ゲームにうつつ抜かしている間に、都の周辺では武士がじっくり力を貯めているようです。いよいよでしょうか?2010/06/06

まりこ

3
帝より摂関家を描く。男寵で家成のくだりよりもう少し色んな人を登場させて欲しがった。白河院の弊が残っているのか、寵により色んな乱れ。待賢門院の凋落はかわいそうだがしょうがない。美福門院の栄華は、人が変わったよう。2018/08/04

YH

3
頼長の不器用さに思わずニヤニヤしちゃったけど、恋の駆け引きもままならない頼長が後世に腹黒いといわれる由縁が良くわからない。この巻では、時代の停滞感を感じた。嵐の前の静けさという感じの巻なのかな。2010/07/22

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