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中公文庫
いつもと同じ春

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  • サイズ 文庫判/ページ数 306p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122052161
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

百貨店の社長として激烈な経済競争の世界に身をおきながら、なお文学的繊細さと迷いを抱いて生きる著者の懊悩を描く。平林たい子文学賞受賞。

内容説明

一族の宿命を背負い、経営者として熾烈な競争世界を疾駆し続ける“私”は、一方で曖昧な「根無し草」としての自身を問い続ける。内奥に抱えた矛盾と葛藤を静かな筆致で描く自伝的小説。平林たい子文学賞受賞。

著者等紹介

辻井喬[ツジイタカシ]
1927年東京生まれ。詩人・作家、元セゾングループ代表。経営者・堤清二としての活躍が知られる一方、精力的な創作活動で多彩な作品を生み出す。著作に詩集『異邦人』(室生犀星詩人賞)、『群青、わが黙示』(高見順賞)、『鷲がいて』(読売文学賞詩歌俳句賞)、小説『いつもと同じ春』(平林たい子文学賞)、『虹の岬』(谷崎潤一郎賞)、『父の肖像』(野間文芸賞)など多数。『自伝詩のためのエスキース』にて第二七回現代詩人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

anarchy_in_oita

5
作者は青年のまま大人になってしまった人なんだと思う。「現実と理想」「世間と個人」「父と子の確執」とか、手垢に塗れた表現で本作品を概括するのは簡単だが、どこか大切な部分を取りこぼしているように感じる。それは作者の絶えず揺れ動く青年のような精神世界が詳らかにされているからであろうか。文体は透明でありながら、その内容には澱みを感じる不思議な読後感だった。働き出したらまた読むこともありそう。面白かった。2020/12/27

NEWJPB

0
「彷徨の季節の中で」が若い時の事とすれば、「いつもと同じ春」は壮年期を書いた作品。妹邦子のカジノフォーリーの裁判や、邦子の元夫の森田重郎とおぼしき人物が登場するので1973年ごろから1980年代までの経験を下敷きにしつつ書いた作品と思われる。「彷徨」がかなり私小説的色彩が強いのに対して、この「同じ春」はどの程度現実を反映しているのか。例えば作中の久美子(邦子)と林田(森田)の二人の子供は、現実に存在するのか否か。完全に私小説でないのは、丸和不動産の社長が「伯父」に設定されていることからもわかる。興味深い。2014/01/10

tellme0112

0
亡くなったので。経営者だけど元活動家。いやー、迷う、迷う、迷う男だなあ…共感するけどw 人間観察、面白い。その場にいるとその場の求められる価値観に合せて考えたり、または逆なことを言ったり…面白い。女性の描き方がちょっと好きかも。いいなあ。人間っていろんな面を持っているよね、と思わせる。2013/12/18

たぬ

0
★52016/09/29

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