中公文庫<br> 双調平家物語〈5〉女帝の巻 院の巻

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中公文庫
双調平家物語〈5〉女帝の巻 院の巻

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  • サイズ 文庫判/ページ数 374p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122051904
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

道鏡に狂う孝謙女帝と怨霊となる井上皇后、そして謀叛を企む不破内親王。聖武帝の女達が繰り返す皇嗣を巡る醜行。我が朝の女禍は男達の信を得た桓武帝により終息する、がしかし――。

内容説明

御世は下り居の女帝と藤原仲麻呂のものとなった。だが、依然威勢をもちつづける女帝との対立を深めた仲麻呂は、都を逐われ、近江の地でついに命を落とす。再び御世に即かれ、道鏡への御寵を恣にする女帝も、やがて病に倒れ、治世を混乱へと導いた女帝の時代は終わる。「道鏡に狂われた孝謙女帝、怨霊となった井上の廃后、御位への執念を捨てなかった不破内親王。そして、藤原吉子と藤原薬子。女達は繋がれねばならない」。「栄華」という幻想に憑かれた男達の物語。第62回毎日出版文化賞受賞。

著者等紹介

橋本治[ハシモトオサム]
1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。77年『桃尻娘』で講談社小説現代新人賞佳作。以後、小説・評論・古典の現代語訳・戯曲・エッセイ等、あらゆるジャンルに精力的な執筆活動を行う。96年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、05年『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、08年『双調平家物語』で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

67
藤原仲麻呂と女帝のものとなります。しかし、対立を深めて都を追われ、命を落としたのは何とも言えません。再び道教へのご寵愛を受ける女帝も、病に倒れ、世は乱れ、終止符を打つと言うのが暗黙の了解だったように思えました。藤原全盛期があっさりと描かれ、白河天皇へと時代が移りゆくようにも見えます。2019/05/21

りー

10
勘違男=恵美押勝の乱→孝謙/称徳女帝の重祚。自分の血統が唯一無二と信じる世間知らずの箱入り娘。道鏡への遅すぎる恋が、丁寧な言葉で辛辣に描かれていました。女帝が亡くなった後、男たちが「女を帝位に就けるのはこりごりだー」と、白壁王を光仁帝として立て、皇統は桓武系へ。この後は割りとあっさり描かれ、井上内親王&他部皇子、早良親王、伊予親王・・・とそれに従って追い落とされる者たち。あとには北家だけが残ったと。で、北家の栄華を超高速70頁ですっ飛ばして描き、この巻は後三条帝→白河帝登場まで。清盛さんまでもう少しだー!2018/10/13

小鈴

4
藤原不比等の娘の光明皇太后の娘、考謙天皇は、処女帝。女を天皇にする禍をいやと知った男達は、外戚となることで世を統べた。そんな世が幾世も経て、「父」であることの範を欠いた。そして、院の時代に入るのだ。じゃかじゃん。 2010/08/15

小葉

4
孝謙称徳女帝をめぐるあれこれ。「子」を残さなかった女帝のその後。桓武平氏というわりには平安京に遷都した桓武帝はあっさり。その後はさらにさくっととばして藤原北家の栄華:道長前後の時代へ。2010/08/07

えぐざいる

4
平安前後を書いた巻、諸家を廃して栄華の藤の蔓の延びていく様が主題ですが、個人的にはマイナーな薬子や井上内親王・他戸親王、早良親王の荒ぶる御霊たちの起承転結を読んでみたかったです(贔屓の高岳親王の言及がなかったのも残念)、それはそれとして幼帝を囲む思惑のやりとりは読み応えがありました。道鏡に溺れる孝謙女性の表現のじわじわエロティックな表現や、多感さを持て余した冷泉帝のエピソードとかいろんな人間模様の交錯するこの巻だけ読んでも面白いと思います2010/01/22

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