中公文庫<br> 双調平家物語〈4〉奈良の巻

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中公文庫
双調平家物語〈4〉奈良の巻

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  • サイズ 文庫判/ページ数 361p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122051805
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

疫病の蔓延による藤原四兄弟をはじめとする太政官ら高官達の死、矜り高き天皇を脅やかす朝臣の乱。奈良の都を打ち棄てて遷都を繰り返す聖武天皇に振り回される臣下達の悲喜劇。

内容説明

聖武の帝の御世、長屋王は謀叛の咎によって自害する。だが、政敵を葬った藤原一族に栄えはなくやがて都に蔓延した疫病で藤の四兄弟は揃って世を去る。一方、県犬養橘三千代は、長屋王の変後、娘の立后を策し、藤原の夫人は光明皇后となり、異父兄、橘諸兄が実権を握る。藤原広嗣の乱、繰り返される遷都、橘奈良麻呂のクーデター…。

著者等紹介

橋本治[ハシモトオサム]
1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。77年『桃尻娘』で講談社小説現代新人賞佳作。以後、精力的な執筆活動を行う。96年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、05年『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、08年『双調平家物語』で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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優希

70
聖武天皇から藤原仲麻呂の時代までが描かれます。長屋王は謀叛により、自害するも、藤原一族が栄えることはありませんでした。一方で県犬養橘三千代は娘を策したことで光明皇后となり、橘諸一族が権力を握るのが印象的に突き刺さります。藤原広嗣の乱、繰り返される遷都、橘仲麻呂のクーデターなど大変な時代だったのですね。2019/05/20

小鈴

5
この本の構造は、平家滅亡を鎌倉時代の読者に読み聞かせるために往古から天皇を取り巻く一族との関係、そして平安時代に権勢を欲しいままにした藤原氏が権力を得た歴史を説いているのだが、官僚制の興り、仏教の制度化と「この国の形」の歴史も知ることができる。天皇の土地から私有地の始まり(墾田永世私有)、資本の蓄積の始まりまで。人のドラマにとどまらない。橋本治すげーな。 2010/08/08

えぐざいる

4
梅原猛の「海人と天皇でも、かなり独自の考察が展開されてましたが、宮子の狂気、怪僧玄昉、そして女東宮のいびつさ、今までの巻きでもよりもっと陰惨な、どの人物にとっても救いのなさが、でもしっかり日本の枠組みができて行ってるところが、この蔓をだどった今の時代のやるせなさ、だとか、だったらなんでもありのようないろんな思いを重ねて読んでいました。そしてこんなくどくど書くより、持統天皇の執念がムスコムスメに大迷惑、、というストーリー展開も面白かったです2010/01/20

森下司

3
もう、群像劇だと思って読んでます。房前と奈良麻呂が不憫、もっと不憫なのは聖武天皇の気まぐれ遷都に振り回される庶民、ってところでしょうか。自分がこの時代の庶民だったら、野垂れ死、餓死はまぬがれないかと思った。朝廷・貴族たちの立ち回りだけではなく、この時代の庶民、国の形までも知ることができる群像劇だと思ったら、俄然面白くなってきました。平家? ああ、まだ影も形もありませんねぇ。2012/04/30

小葉

3
聖武天皇って遷都しまくりのかなり迷惑な帝だったんですね。藤原四兄弟の病死とか、大仏建立などはわりとあっさり。元明、元正もだったけれど光明子の影が薄い。その分、前巻の持統の印象がより強烈に。この巻の主な登場人物:聖武帝、長屋王、橘三千代、橘諸兄、橘奈良麻呂、藤原広嗣、藤原仲麻呂、光明子。2010/07/29

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