中公文庫<br> 双調 平家物語〈3〉近江の巻

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中公文庫
双調 平家物語〈3〉近江の巻

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  • サイズ 文庫判/ページ数 366p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122051690
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

兄帝のお心を汲む大海人皇子は御位を辞退し、讃良皇女と共に吉野へ、しかし……。壬申の大乱を経て律令国家建設へむかう古代日本の愛憎渦巻く人間群像。

内容説明

天智の帝亡き後、大海人皇子は大友皇子との皇位継承をめぐる叔父甥の戦い―壬申の大乱―に勝利し、天武の帝となる。一方、鎌足公の嫡子、藤原不比等は、天武の帝の後を継いだ持統の帝の御世において新帝擁立に功を奏し、栄達の道を昇って行く。「皇統という鴬の巣に生みつけられる、藤原という杜鵑の卵。鴬の巣に孵って、生まれ出た杜鵑は、鴬の雛に代わって鴬となる。藤原の朝臣は、ただその日が来るのを待てばよい」。第62回毎日出版文化賞受賞。

目次

近江の巻

天智暗雲

狂気
太政大臣由来
壬申大乱
夏日到来
吉野恋慕
藤蔓

御佩刀
無欲執着
大宝律令
順逆両手
文武帝御早逝
上官婉児
春鳥夏鳥
御早熟
藤三娘

著者等紹介

橋本治[ハシモトオサム]
1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。77年『桃尻娘』で講談社小説現代新人賞佳作。以後、小説・評論・古典の現代語訳・戯曲・エッセイ等、あらゆるジャンルに精力的な執筆活動を行う。96年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、05年『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、08年『双調 平家物語』で毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

65
壬申の乱に勝利した大海皇子が天武の帝となります。一方藤原不比等がどのように藤原の礎を築いていったかが描かれていました。不比等の栄華は持統天皇の帝の新帝擁立と言えるでしょう。不比等亡き後は聖武天皇の世になるものの、どこかで不吉さを感じます。清盛はまだ出てきませんが、世界的に栄華の一族とその価値は押さえておいた方がいいのかもしれません。2019/05/19

のんき

6
壬申の乱前史あたりから聖武即位のあたりまで。「あたり」というのは話が行きつ戻りつするため。個人的には不比等がどう描かれるかが一番興味があったのだけど、出てきてはひっこみ出てきてはひっこみの繰り返しで焦れったかった。でもそこが「らしい」という気がした。ぐだぐだしているうちに時代が進んでいく感じが堪りません。2010/02/24

セイコリーノ またの名を「本の海賊」

3
やっと読みました。まだ持統天皇なのですが、歴史は繰り返す。母が子を思うため、それを推し進める。いつの世もひとのこころは変わらないのだな、と思いました。2019/03/10

小葉

3
天智天皇から聖武天皇まで。帝の血筋に絡まりつく藤。藤原不比等と持統、文武、元明、元正帝との関わりが興味深い。里中満智子「天上の虹」とほぼ時代が重なっているのだけど、人物像の描き方の違いが面白い。そして、天上よりもこちらの方が私にはしっくりきます。2010/07/02

えぐざいる

3
前の巻も含めて「日出処の天子」とか「飛鳥昔語り」とか「天上の虹」とか以前読んだ漫画で刷り込まれた人物描写との違いを感じながら淡々と読み進めました。巻頭の恐ろしく複雑な系図の、異母・異父兄妹・伯父姪、婚姻の血と血が織り込まれた中で、孤児の不比等があっけらかんと生きていく様がとても気持ちよかったです。2010/01/13

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