出版社内容情報
夜ごと診断不能の大妄想にとりつかれる『死霊』の作者と性格改善薬でも治らない悪性躁鬱のマンボウ氏が文学からUFOまでを語る奇抜で真摯な対談。
内容説明
夜ごと診断不能の大妄想にとりつかれる『死霊』の作者と「性格改善の薬」でも治らない悪性躁鬱のマンボウ氏が文学からUFOまでを語る。奇抜で真摯な対話の中に、両者の異能・異才ぶりがいかんなく発揮される大対談。四半世紀を経て初文庫化。
著者等紹介
埴谷雄高[ハニヤユタカ]
1909(明治42)年、台湾生まれ。1931(昭和6)年、共産党に入党。翌年に検挙され、翌々年、転向出獄。1945(昭和20)年、平野謙らと「近代文学」を創刊し、『死霊』を連載。1970(昭和45)年、『闇のなかの黒い馬』で谷崎潤一郎賞を受賞、『死霊』の執筆を再開、1976(昭和51)年、日本文学大賞を受賞。1997(平成9)年没
北杜夫[キタモリオ]
1927(昭和2)年、東京生まれ。父は斎藤茂吉。1952(昭和17)年、東北大学医学部卒業。神経科専攻。医博。1960(昭和35)年、『どくとるマンボウ航海記』が大ベストセラーとなりシリーズ化。同年『夜と霧の隅で』で第43回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
38
埴谷雄高と北杜夫との対談集で、北さんが鬱症のときのようでいつもの高揚した感じはありませんでした。埴谷さんのほうがよくしゃべっている感じがします。またもと共産党員時代のころの話が今まで知らなかったので結構興味深く読みました。2014/12/16
Teppei Tsujiyama
16
北杜夫と埴谷雄高の対談本。北杜夫が鬱のため、「インタビューしてる」というくらい口数が少ない。北「宇宙の話がききたい」埴谷「火星が~、、、思索的双生児が、、、」北「いま、ちょっと酔っているので分かりません」埴谷「これはね~(詳細な解説しながら話がずれていく」北「疲れたのでufoの話しましょう」埴谷「美しい魂の、、未知との遭遇が、、、黒体輻射の温度が~」北「今、鬱なので分かんないです」。これで対話が平和な雰囲気なのが面白い2014/11/06
銀雪
5
埴谷雄高、北杜夫ファンの後輩がそれぞれいるので興味を持って読んでみた。思ってたよりすんなり読めた。かれらの著作をあまり知らなくてもまあまあ楽しめたけど、「死霊」「どくとるマンボウ」あたりは読んでおきたかったかも、と思ったり。文学のあり方、文化についてなど考えさせられる。文芸部員としては特に。大岡昇平とか、かれらと親交のあった作家の著作にも手を伸ばしてみたい。とりあえず、埴谷、北ファンの後輩たちは、それぞれ埴谷、北の影響を強く受けていることがわかった(笑)。2011/03/14
まゆき
4
埴谷さんがアカとして逮捕されたときの話が印象に残っています。台湾で日本人が傍若無人だったという記憶についてもどこかに書いているようなので探してみたい。2012/04/27
マニエリストさん
3
精神があるからには精神病はありますという趣旨の発言。名言ですなあ2014/12/02