中公文庫
百万回の永訣―がん再発日記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 468p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122051355
  • NDC分類 916
  • Cコード C1195

出版社内容情報

初発から六年後、がんが再発。「早ければ半年」と告げられた後の彷徨いから、医師と信頼を築くまで、「死」をみつめて積み重ねた「生」の記録。二年間を生き抜き、そして――魂の奇蹟が起った。

内容説明

初発から六年後、がんが再発した。「早ければ半年」と告げられ、絶望と孤独にまみれた彷徨いから、一人の医師を選び信じて進むと決めるまで―。『がん患者学』を著したノンフィクション作家が、生を賭してがん医療のありかたを問い続けた六五〇日の記録。

目次

第1章 二〇〇三年五月十五日~十月三十日
第2章
二〇〇三年十一月七日~二〇〇四年三月二十九日
第3章 二〇〇四年三月三十日~十二月十二日
第4章 二〇〇四年十二月十八日~二〇〇五年二月十四日
第5章 二〇〇五年二月十五日~八月十八日

著者等紹介

柳原和子[ヤナギハラカズコ]
1950年東京生まれ。東京女子大学社会学科卒業。筋ジストロフィー、医療過誤、薬害エイズ訴訟など、生命と医療に深い関心を寄せ、作品を発表してきた。自らがんを患い、二度の再発、十年以上に及ぶ闘病生活を続ける傍ら、執筆活動を中心に様々な活動を行った。2008年3月、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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しろくまZ

5
初発の卵管癌から六年半後、著者は再発と転移に見舞われる。骨盤内2ヵ所、肝臓には最大5cmの腫瘍が15ヵ所も見つかる。常識的には余命半年の状態。しかし著者が亡くなる2008年3月まで、約4年半生き延びたことになる。これは驚きだ。一方、本書を読んでいて私が共感できたのは、「がんは個別の病である」と書いてある部分だけ。超一流の医者の中を2nd、3rd、4thとオピニオンを求め続け、最良と信じる医療を受けるなんてのは、一般癌患者にはほぼ不可能である。その上、代替療法や歩く気功の話をされても、とても付いていけない。2015/04/06

OHNO Hiroshi

4
結局、死ぬのである、この本の終わり近くになって流し読みしてしまう。ここでは本人は死なず、父は死ぬ、数年後に彼女本人は死ぬ、と言うことを知っていたから。希望で最後は終わっている。今、この瞬間、生きている、と言うことが全て。未来はわからない。過去は遠くなり。2018/01/20

hash

1
…(慌てず騒がずでありたい)2022/03/04

玉虫左太夫

1
「つまりはゆだねるってことじゃないのかなー」と姉に言われて「ゆだねる」ことを否定し続けた自分に気づくところが印象的。「がん患者学」で医療を批判した著者の、自らのがん再発日記。がん治療の方法をめぐって、主治医を探し歩き迷走する・苦悶する箇所は、治療の痛みよりも痛々しい。「がん患者学」という名著を残してさえ、がん医療というものは困難を極める。としても、「治療法の選択は、私の人生の選択だ」と、敢えて自ら、患者と医療・医者を考え続けた姿勢は感銘を受けた。2010/10/28

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