出版社内容情報
食通として名を馳せる著者による、洒脱な御馳走ばなし。名著『食は広州に在り』から実に半世紀。円熟味あふれる珠玉の食エッセイ。〈解説〉丸谷才一
内容説明
「私が大食漢であるかどうかは知らないが、食べることに人一倍熱心で、年期の入っていることは確かであろう」―五十年間、一食たりともおろそかにせず、食事中も次の食事の事を考える。名著『食は広州に在り』から半世紀。世界中の美味を求めて歩き回った著者の、珠玉の食エッセイ。
目次
「食は広州に在り」から半世紀
食いしん坊の余得
味のレベルが急速に上がったわけ
味オンチの食べ歩き大流行
なぜ料理屋の寿命は三十年?
籍貫のある中華料理が懐かしい
北京で口なおしをしたかったら
雲呑麺をお忘れなく
開封第一楼の小篭包子をどうぞ
中国のミラノ、温州へ行こう〔ほか〕
著者等紹介
邱永漢[キュウエイカン]
東京帝大経済学部卒業後、一時帰台し、台湾独立運動に関与して、香港へ亡命し対日貿易を手がける。昭和29年から日本に定住、55年日本に帰化。30年「香港」で直木賞を受賞し、作家生活に入る。実業の才能を生かし株の投資、マネービル関係の入門書など書くと同時に、ビル経営など多角経営に乗りだす。平成4年香港へ移住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HIRO1970
83
⭐️⭐️⭐️久々の邱先生の食に関する本。先生の本はまだ5冊目ですが、毎回得るところが少なくなくますます畏敬の念を深くする程であります。本書は15〜10年程前に中央公論に連載していた50の短編を本にした物ですが、自分にも沢山の関わりがある店が出てきて邱先生の食に関する行動力のフットワークの軽さには今回も驚かされました。料理屋の寿命は30年と達観されているのは、まさしく真理そのもので香港の老舗料理屋が今年何軒も潰れているのは最近もニュースになっていました。長い時間軸で物事を見透す人の作品は陳腐化しませんね。2015/12/31
tonakai
1
連載コラムとして読む分にはいいが、まとめて読むとややしんどい。自身に中国ルーツがないためか?2015/07/31
caviar
1
名著「食は広州にあり」上梓から半世紀、いいたいこともたまって来たので再び食にまつわるエッセイを書くことにした、とのこと。 中国全土をかけめぐる筆者による、中華料理の現況や今後のヌーベルキュイジーヌの動き、またおすすめのお店もぽつぽつ紹介されていて、最後まで飽きずに一気読みしました。中華だけでなくフレンチや日本料理にも触れられているし、気に入った店には2日続けて通うとサービスがぐっと良くなる、などの小ネタも面白かった。2010/10/06