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中公文庫
大学という病―東大紛擾と教授群像

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  • サイズ 文庫判/ページ数 346p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122048874
  • NDC分類 377.28
  • Cコード C1136

出版社内容情報

昭和3年の大森義太郎助教授辞職に始まり平賀粛学までの10年に及ぶ東京帝国大学経済学部の派閥抗争。そして全共闘運動。豊富なエピソードとデータを駆使して描く「大学崩壊」ドラマ。

内容説明

昭和三年、三・一五事件で東京帝国大生の検挙者が続出、学内では左傾教授の処分が行われた。左傾認定を受けた大森義太郎は自ら辞任するが、それは十年にわたる派閥抗争の序章に過ぎなかった―。経済学部を壊滅状態に追いやった「大森事件」とその余波を豊富なエピソードとデータを駆使して描き、大学のあり方を問う警世の書。

目次

1 昭和三年四月十七日、安田講堂
2 黄色いノートと退屈な授業
3 俸給と稿料
4 消費される大学教授
5 繁殖する派閥菌
6 河合栄治郎学部長の光と影
7 河合の孤立と大森の困窮
8 帝大粛正のミステリー
9 反復する記憶―急進右翼と全共闘
10 大学は死んでいた

著者等紹介

竹内洋[タケウチヨウ]
1942年(昭和17)、新潟県生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程修了。京都大学大学院教育学研究科教授を経て、関西大学文学部教授、京都大学名誉教授。96年に『日本のメリトクラシー』(東京大学出版会)で第三九回日経経済図書文化賞を受賞。歴史社会学・教育社会学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

バルジ

1
戦前から戦後の学生運動の時代までを射程に収めつつ、現代の大学についても考えさせられる好著。 「大学」という閉鎖的な空間で起こる醜い派閥闘争に、大学内外で沸き起こる粛正に翻弄される大学教授の姿はお世辞にも軍部や右翼から迫害された「被害者」であるとは言えない。(殊に法学部は経済学部をスケープゴートにして「自治」を守った) そして戦後は勝者が敗者となり敗者が勝者となって再スタートをするが、その後学生運動によってその勝者もいわば「敗者」になるというのは、歴史の皮肉といったところか。2017/06/25

生魚

1
限定市場(大学界という知識場)とマス市場(ジャーナリズムという知識場)の関係が興味深い2014/02/21

ぽん教授(非実在系)

0
戦前の東京帝国大学経済学部を巡る仁義なき河合・土方・大内ら三つ巴の派閥闘争、法学部のしたたかな権力操作、そして結論から言えば大学はもう既に死んでいた……。再晩年の土方に憑依して著者が語らせる消費される教授たちの交代劇は、戦後覇権を握ったはずの大内や大河内らが新左翼学生によって追い落とされる無情であり、一種の悟りの境地のようなものだ。そうして残った大学は次々に制度が変わり平凡なものへと変貌していく。輝かしい大学のイメージは幻想であり、大学なるものの哀しみである。2015/06/05

inokori

0
昭和初期の東京帝大経済学部での派閥抗争を,社会学のことばを使いながら鮮明に記述していく.著者ならではの魅力的な文章で,同様の構図が終戦直後,全共闘運動期そして全共闘以後の大学と社会の中に見出されることを指摘し問いかける.2008/07/06

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