中公文庫
ことばの顔

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  • サイズ 文庫判/ページ数 290p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122043527
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C1195

出版社内容情報

パスカル、村上龍など古今東西の哲学者、作家の名文句から、「ソッコー」「キレる」等、最新の流行語にいたるまで、無限の世界をつくり出す「ことば」を自在に読み解いたエッセー集。

内容説明

ことばはいつもちぐはぐだ。いつも過剰、いつも過少。ことばはそうしたずれを孕んだままやりとりされる。ことばを表現とか記号ではなく、ふるまいや身ぶりと考えてみたら?そうしてパスカル、デカルト、九鬼周造、村上龍など古今東西の哲学者、作家の名文句や「ソッコー」「キレる」等の流行語が生み出される無限の世界を読み解いてみよう。

目次

1 名文句を読む
2 いま、ことばの感触
3 遊びをせんとや…―世紀末のキーワード(荻野アンナ氏との対談)
4 モード死語辞典―こんなのあったの?
5 思考と言葉
ふろく しんみり、どっきり。

著者等紹介

鷲田清一[ワシダキヨカズ]
1949(昭和24)年、京都市に生まれる。1972(昭和47)年、京都大学文学部卒業。関西大学教授を経て現在は大阪大学教授。専門は哲学。これまで、現象学の視点から、身体、他者、顔、規範、所有、モード、国家などを論じるとともに、美術・ファッション批評をおこなってきたが、近年は哲学的思考をケアや教育など社会のさまざまな現場につなげる「臨床哲学」のプロジェクトに取り組んでいる。1989(平成元)年、『分散する理性―現象学の視線』『モードの迷宮』でサントリー学芸賞、2000(平成12)年、『「聴く」ことの力―臨床哲学試論』で桑原武夫学芸賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mm

16
20世紀末の出版で、ポケベルとかブルセラとか、少し前の事なのに時をかけるおばさんになった気分だ。それでも納得の視点はたくさんあった。とりあえず以下のことだけ覚えておこう。1.モードと賭博は過去から独立している。2.今の人間にとって根本的に新しいものは死だけである(ベンヤミン)3.なにに対して自分が自分であるかという、その関係の相手方が自分を測る尺度になる(キルケゴール)理解とはコンセンサスを得ることではない。むしろ自分と相手の間の深い溝に気がつくこと5.わからない事に取り囲まれた時どう処するかが知恵。2017/03/20

さつ

1
最近の女子中学生が二つ年上の先輩をオバサン呼ばわりする、と言って嘆く著者。だけど、それって、三島由紀夫の春の雪で、二十歳にもならない聡子さんが、私のようなおばあさんを…って言ってるシーンあったし。平安時代の婚期やと、17で立派な嫁きおくれ扱いとか。価値観がひとまわりしたんじゃない?(いま私たちが失いかけているものは話し合いではなく黙りあい。)気に入った。2013/05/15

とーる

0
鷲田清一さんの文章が好き2016/05/04

長島啓介

0
鷲田清一『ことばの顔』/20世紀の哲学は言語という主題に関心を深めていった。しかし今の言語認識の枠組みではうまく解釈できないほど世界は変容してきた。20世紀後半になって、人類には環境、民族等、数多くの課題が突き付けられてきた。その根本において哲学的な問いに正面から向き合わざるを得なくなってきている。哲学が提起する問題はわれわれ日本人のうちにもある。哲学を実生活のなかで問題意識として深く身に付けているかというと疑問である。カール・レーヴィットは、日本は近代西欧文明を急速にじゅようしたが、最も重要な批判の精神2013/11/25

はむ

0
日頃のモヤモヤがやさしく解説されていて、おもしろかったです。2013/09/16

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