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出版社内容情報
「ソ連反主流派の哲人トロツキーを満州に招く」という石原らの計画を阻止するため、ソ連と結託した在満ユダヤ人民会は、女スパイに密命を下した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
32
ウムボルト、トロツキー招聘計画阻止を目論む女スパイに拉致。旧友で抗日のジャムツに救われる。ウムボルトは差別無き理想を追い求める・・・2021/11/21
みなみ
3
抗日運動に身を投じるウムボルト。父を殺したのは関東軍とわかった。麗花はジャムツを好きだったが、ジャムツは酷薄なところもあり、また、危機に一人で逃げてしまった。いずれ再会するのだろうがどうなるか。歴史のうねりとマッチするような、躍動感のある絵が素晴らしいと思う。2018/11/12
タキタカンセイ
2
気がつくとウムボルトはいつの間にやらロシア人、中国人、モンゴル人、ユダヤ人の争いにまっただ中にいる。とんでもない状況だけど、そこは合気道の始祖、植芝盛平直伝の秘技で切り抜ける。ここらへんはいかにも「大陸的」でおおらかで良いと思いました。2024/03/05
davi
1
壮大な流れの中で主人公特有の気高さが描かれているのが安彦作品らしい。2017/04/27
でろり~ん
1
巻き込まれ型の主人公として物語は進んでいくが、これまで出てこなかった馬賊が義賊として登場してきた。自分の意志について、確信というものを持てないまま、正体のつかめない義憤に動かされ、他人を殺すというのが戦争なのかもしれない。こうしたアイデンティティの絡んだ問題は、主人公の特別な出生事情によるものではなく、誰でも、老若男女問わずに受け止めざるを得ないのだろう。人種の違いごとにしっかりとまとまっているわけではない現実は、文化は個々人のものであることを思い直させられる。人種の垣根などない。巻末の解説はどれも秀逸。2015/06/07