出版社内容情報
平安の巨人空海の思想と生涯、その時代風景を照射して、日本が生んだ最初の人類普遍の天才の実像に迫る。構想十余年、著者積年のテーマに挑む司馬文学の記念碑的大作。五十年度芸術院恩賜賞受賞。
内容説明
平安の巨人空海の思想と生涯、その時代風景を照射して、日本が生んだ最初の人類普遍の天才の実像に迫る。構想十余年、著者積年のテーマに挑む司馬文学の記念碑的大作。昭和五十年度芸術院恩賜賞受賞。
1 ~ 4件/全4件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
123
「昭和五十年度芸術院恩賜賞受賞」というので、チャレンジしたが挫折。やはり空海のような大物は読んでいて入り込みにくく難しい。歴史の教科書として読めば面白かったのだろうが…2010/07/31
優希
108
面白かったです。空海の足跡をたどるエッセイのような感じで、空海を取り巻く風景を描いている印象を受けました。全ての煩悩を受け入れる姿を見ていると、その思想には時代の普遍性を見つめる一面もあるように思います。遣唐使として長安に渡った空海は、後の仏教思想にどのような影響を及ぼしていくのでしょうか。下巻も読みます。2018/01/24
kazuさん
101
空海が生まれ、入唐して、密教の第一人者恵果に会うまでが描かれている。空海は讃岐出身の一豪族で、804年、30歳の時に、120人の隋員と共に、唐に渡った。空海の身分は留学生であり、同行した最澄とは異なり、渡航直前に国から認定された僧侶となった。福建省赤岸村に漂着し、その後2400km、福州から長安までの冒険とも言える行程が描かれている。上巻のハイライトは、空海が書いた卓越した漢文が福州の行政官を驚かせて、日本から来た遣唐使としてようやく認められ、下船の許可を得ることができた、と言うくだりである。2023/12/17
金吾
98
小説というより空海を主人公にしたエッセイのように感じました。空海に関しては単一のエピソードは聞きかじっていますが全体を通じて読んだことがありませんので新鮮です。予想以上の波乱万丈の生き方ですので下巻が楽しみです。2022/09/28
レアル
77
空海が歴史の表舞台に登場したのは遣唐使入唐前後。それ以前の空海はほとんど無名で、その無名時代の若き空海を少ない史料と著者の博識で描かれている。小説というよりもエッセイ仕立てでタイトルも「空海」ではなく「空海の風景」と名付けた著者の思いに頷きながら読み進めた。密教というモノに拘った空海の思いも読んでいて納得。そして入唐。ここからはかつて読んだ夢枕氏の「沙門空海~♪」で読んだ話やその時の登場人物も出てきて、懐かしさを感じながら司馬氏の空海を読了。さて下巻はどうなることやら。。2016/09/27