内容説明
脳死問題が大詰を迎えようとしているいま、前著『脳死』で医学の独走に警鐘を鳴らした著者が、再びこの現代最大の課題に真正面から取り組み、日本医師会の生命倫理懇談会がまとめた「脳死および臓器移植についての最終報告」を反駁し、日本のあるべき判定基準の方向を探る。
目次
第1章 脳死理解のために
第2章 脳死を医者はごまかすな
第3章 疑問は解明されたか
第4章 問題点はどこにあるのか
第5章 いつ心臓をとってよいのか
第6章 方法論からして間違っている
第7章 では、どうすればいいのか
第8章 疑惑に満ちた和田移植
第9章 いかなる判定基準をめざすべきか
参考資料(脳死および臓器移植についての最終報告;ソビエト連邦における脳死判定について)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nstnykk9814
10
「脳死」と同時に買った放置本を一気に読了。と言っても、こちらも乱暴に飛ばし読み。購入時に何を考えていたのかは、今となっては思い出せないが、堅い本を真面目に読もうとしていたらしい。本はあまり長く放置しては駄目だなと反省。2015/08/18
人生についてのメモ帳
1
「脳死」についての知識がまず述べられ、その後にどの状態から死とするのかという基準に関して筆者の考えと現状への批判が述べられる。まず、脳には器質死と機能死とがあり、筆者は器質死こそが不可逆の問題であり脳死と判断するにはここまで調べる必要があるとしている。現状、医者会の竹内基準では機能死で充分としている。僕は、医者会のいい加減さ、脳死問題という繊細でありながら重要な問題について深く考えたことがなかったことに反省した。2015/02/03
S.T
1
一番印象に残った和田移植について。『脳死』を読むまでは、和田移植を知らなかったし、知った後も脳死が個体死と認識されていないがために起こった事件だと思っていたが、それ以前の問題だったと分かった。脳死や心臓移植も専門家に任せきりにするのではなく、自分たちも注目しなければならないと思った。2012/02/25
夜郎自大
0
1992/10/31
のんき
0
1991.6.10発行