中公文庫<br> 映画館(こや)がはねて

中公文庫
映画館(こや)がはねて

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  • サイズ 文庫判/ページ数 255p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784122016156
  • NDC分類 778.04
  • Cコード C1195

内容説明

「映画館がはねて、星空を仰ぎながら家路につく観客の胸が幸福な気分でつつまれ、さっき観た一場面を思い返して、思わず一人笑いしてしまうような作品ができることを念じつつ」『男はつらいよ』40作を制作した映画監督の爽やかなエッセイ。

目次

美しい女(ミセス・コウ;村上先生;ふみさん;山村さん;H夫人;バイエルの君;麻布のおばさん;教授令嬢 ほか)
修業時代(想い出すこと;ピーナツ売りの少年;寅さんのあこがれ;寅さんの原型;落語に学ぶ;修業 ほか)
寅さんと共に想う(地方訛り;ある「サンキュウ」;飯田蝶子さん;勇敢な少年;あっぱれな親不幸「山崎屋」;母とわたし;毎日映画コンクール特別賞を受けて;労働者諸君;脇役の力 ほか)
ズームレンズ(望郷;パーティー;廃業;チリ紙;泥棒;ガードシステム;コンちゃん;七五調;キャンドルサービス;クラリネット;佐山俊二さん;喜劇役者;マッちゃん ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たくのみ

8
「寅さん」の山田監督のエッセイ集。寅のタンカ売のセリフは、香具師の技を実地で身につけた渥美清さんの発案。リリーのモデルになったのは水兵の妻・エミ子さんという女性。大阪で生まれ、満州でそだち、ロシア人の作った家に住んでいたという山田監督。彼を襲った、突然の敗戦と引揚者の苦悩と悲惨な出来事。だが、土地を奪われた満州や中国人もまた大変だったのだ。映画を支える裏方さん達まで、幅広く心を砕く山田監督の姿勢がとても印象的でした。2016/08/19

Forest

3
山田洋次 映画館がはねて読了しました。山田監督が大連のアカシア並木を書いているところが印象的。故郷を持たない人だからこそ故郷や家族にこだわった映画を取るのではないだろうか。渥美清は良い話や美しい出来事に関心を持ち、内面に潜めて大切にしていたらしい。その他に銀映耕房、大道具のコンちゃんの話、衣装係の話など裏舞台のエッセイも面白い。2019/10/30

kikizo

2
30年以上も前のエッセイだが、今読んでも頷けるところがいっぱいある。この頃に憂いていたことが現実になっていることもあり、世界はどこに向かっているんだろうと、ふと考えさせられた。寅さんの生き方が、今の日本に必要なのかもしれない。2017/12/05

ゴリゾウ

1
私渥美清ははたして寅より優れた人間なのだろうか、と疑うのです。いや、ひょっとすると渥美清は寅に追い抜かれていくのじゃないか、と不安になったりもします。(P126) #15271991/11/27

ryoah_upload

1
山田洋次監督のエッセイ。森川信の晩年の様子が興味深い。

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