中公文庫
ジャンヌ・ダルク

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  • サイズ 文庫判/ページ数 272p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122014084
  • NDC分類 289

内容説明

英仏間の百年戦争で疲弊しきったフランスを奇蹟的に救いながら裏切られ、異端者として火刑に処せられた田舎娘ジャンヌ。その気高い無知はあらゆる知を沈黙させた―『フランス史』で著名な大歴史家が、オルレアンの少女の受難と死を、深い共感をこめて描く不巧の名著。

目次

1 ジャンヌの子供時代とその召命
2 ジャンヌ、オルレアンを解放し王をランスで祝聖させる
3 ジャンヌ、裏切られ売り渡される
4 裁判―ジャンヌ、教会に従うことを拒絶
5 誘惑
6 死

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

植田 和昭

15
文章が難解で読みにくかったです。ジャンヌの裁判のとこが長かったなあ。現在の感覚からすると男装する女性は、普通だけど死刑(火炙り)に値することなんだなあ。この本は、キリスト教のことを読み込んでからじゃないと理解できないと思います。イギリス側からの描写がなくて残念。 2019/08/12

金吾

13
ジャンヌダルクについては詳しく知らないため興味深く読むことができました。特に裁判から死に至るまで話は中世を考えるときの一つの視点になると思いました。2020/10/18

またの名

11
処女は悪魔と契約できないとされてたので「じゃあ処女でなくなればいいんだな?(ニチャア」と理屈をこしらえた異端審問側の画策により、何を守るためにうら若きジャンヌが女性服を拒んでたか判明したと本書は仄めかす。異端の所業として男装を禁じられた収監中に男に襲われ庇護を求めるように色気のない男装を再び着てしまった乙女は、学識者が居並ぶ異端審問でもボロを出さなかったのに完全な戻り異端と認定。敵対者をも共感の渦に巻き込み最期の瞬間まで敬虔に祈るジャンヌを見た処刑人は、もう自分が神に赦されるのは不可能だと絶望したという。2019/11/20

梧桐

4
現代にジャンヌ・ダルクが出てきたら、人類はどう思うだろう。きっと、キリスト教徒と物好きな人以外は、彼女を病気だと判断するに違いない。神の声を聞き、戦争に参加する。神が認められており、戦争も盛んだった時代だからこそ、ジャンヌは当時の人々に受け入れられたんだ。そして最も特筆すべきことは、ジャンヌが女だったから、現代に至るまで彼女が伝説的存在として君臨できていたに違いない。もしジャンヌが男だったとしたら、ここまで有名にはならなかったと思う。2016/01/19

卯月

4
再読。同著者の『フランス史』から、ジャンヌ・ダルク関連部分のみを独立させた本。というわけで、ジャンヌ出現に至るまでの歴史に関しては、先に訳者あとがきを読んだ方が良い。ジャンヌが聖女と認められる(1920年)前の本なので、身を賭してフランスを救ったのに十分に敬われていない、という悲劇的な色合いが濃い気がする。1冊の半分弱は原注・訳注。非常に注が詳細だが、要するに、本文だけ読んでも理解できない……。当時、教皇庁が分裂して仏アヴィニョンと伊ローマに教皇が二人いた件は、他書で説明を読んだ記憶がないので有難かった。2015/07/13

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