中公文庫<br> 自殺論

中公文庫
自殺論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 568p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122012561
  • NDC分類 368.3

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

獺祭魚の食客@鯨鯢

46
 自殺とは自分自身の命を奪うこと。周りは起きてから取り返しの効かないコメントを繰り返す。芸能人は素顔の自分と有名人としての自分の狭間に悩むことが多いかもしれない。  誠実で責任感が強い人ほど陥りやすいのは一般人と変わらない。  死にたくない人が殺害され、惜しまれる人柄の人物が自死する。  世相が殺伐として、心があたたかくなる出来事が少ない。過去を悔やみ将来に絶望した善人がこの世を去る。2022/05/11

活字の旅遊人

45
19世紀フランスの社会学者によるテキスト。新訳とはいえ、全然古くない。社会学、あるいは公衆衛生学などの入門書としての立場は揺るがないだろう。その分、心理学・精神医学的な記述は少々のみ。フローベール『ボヴァリー夫人』と同時期の書というのが、実に興味深い。結論で期待している「職業集団」については、考察していないことの言い訳とも読めてしまったが、この後盛り上がる社会主義を考えると、なるほどなあ、と唸ってしまった。それも含め、世界の方向性というものをしっかり見通せているのには感動だ。今更だが社会科学古典も良いな。2022/03/31

D

23
かなり難しい本でしたが、「道徳的貧困」というワードは興味深かったように思えます。デジタル化によって著者が生きていた時代より道徳的貧困が進んだであろう現代で、私たちがどう生きていくかという所で、本書は役立つのではないでしょうか。細部までは読み取る事はできなかったので、また再読しようと思います。2022/02/13

CCC

18
今から見ると疑問点は多々ある。社会の連帯の弱さが自殺の強い誘発要因なら、共産圏の自殺率の高さはどう説明するのだろう、とか。景気が自殺率に与える影響についての説明(都会と田舎についても)が現代の統計と合わない、とか。教条的に受け取れば、現実に対してだいぶアクロバットな解釈をせざるを得なくなるように思う。四類型もイメージはしやすいが妥当性は不明だ。けれど前提の立て方がおかしいわけではない。論はともかく論拠はたしかだ。それだけに限られたデータから現実を読み解く社会学の限界を、かえって感じてしまった。2018/12/18

中年サラリーマン

15
社会科学の古典的名著。自殺統計の膨大なデータから自殺は社会的構造による傾向が大いに関係すると述べている。科学的手法を用いて精神疾患や気候や人種、遺伝など色々な原因と考えられるが無関係な要因に対して「ノイジー」と判断していく論理展開が面白かった。2014/04/10

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