感想・レビュー
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新父帰る
6
昭和50年1月初版。著者の渡辺三山は元治元年(1864年)の生まれ。つまり幕末に生まれた。大久保・岩倉には、直接会うことはなかったが、伊藤博文には直接会っている。その意味でこの書はかなり臨場感を醸し出している。大久保は政治家としてはピカ一の評価。特に征韓論の記述はなかなか読み応えがあった。岩倉については、傑出した存在であるとして一番評価している。岩倉の調和論について言及している。伊藤については功名心が強く、軍事には弱かったと。なお、著者の父は西南の役で西郷軍に与し、戦後刑死。西郷論を書かずに亡くなった。2023/11/05