感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びす男
62
入門、というのにふさわしい内容だろう。「世界は広い」と言うとき、それは地理的な広さよりも文化や価値観の多様さを指している場合が多い。いったい、文化とはなんなのか。何が違うのか。その相違は、人間にどんな影響を及ぼすのか。国際化や異文化理解といった言葉ばかりが先行し、知らず知らずのうちに「相手への理解」のなかに「異質性への蔑視」が入り込みがちな現代である。違いのある人を前に、どういう姿勢を取るべきか。自分自身も反省することが少なからずある。「違い」を素直に面白がれる人になりたい。2015/05/17
翔亀
44
膨大な参考文献や大学案内を備えた入門書で予備知識なしで読める良書。しかし「文化人類学」に学問体系や思想を期待すると(私がそうだったが)肩透かしをくらう。無文字社会の文化研究を出発点としているが拡散しすぎて、いまや人類を対象にしたフィールドワーク手法による研究という程度が共通しているだけで、民俗学/言語学/社会進化論/家族論/都市論/民族論の寄せ集めの観。そういう学問は、作法を心得るという意味の「入門」など必要がないと思う。そんなことを教えてくれる不思議な「入門書」。2015/11/19
Book & Travel
35
司馬遼太郎氏の歴史随想や上橋菜穂子氏の物語を読んで、何となく自分の興味がある分野ではないかと思っていた文化人類学の入門書。入門ということで文化人類学で何を扱うかということが体系的に書かれている。やや古い本ではあるが、初心者が学びやすいように配慮されていて、内容は専門的ではあるがわかりやすくとても良かった。やはりこの分野は興味深く、特に興味を持ったのは言語の分析や異文化が接触した時の文化の変容といったところ。今後、好きな歴史の本を読む時の知識の糧にするとともに、この分野の本をもう少し掘り下げて読んでみたい。2016/05/17
inami
32
◉読書 ★3.5 レビューの登録をしばらくサボっていたので、本の内容を思い出せない(笑)。「人間には文化がある」と帯にあるのだが、「民族史、自然環境・衣食住、婚姻制度・家族・親族、社会・政治・経済の仕組み、宗教・儀礼、神話・伝説、民謡・舞踊、都市文化、躾や教育のしかた・・」と、文化人類学の学問の範囲の広いことには驚きだ。生命の起源や人類の進化については興味もあり、関連する本も多少読んだが、本書でも関連する部分が多分にあった。今後は「文化・人類」という角度からみてみるのも思面白いかもと思った次第です。2021/08/11
ステビア
24
古いので読み方に注意は必要そうだが、よくまとまった教科書2022/05/22