中公クラシックス
真景累ヶ淵

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  • サイズ B40判/ページ数 483p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121600974
  • NDC分類 913.7
  • Cコード C1276

出版社内容情報

写実主義と格調ある高座で江戸落語中興の祖と仰がれた円朝の怪談噺の極め付き。その言文一致体は明治文壇に新風を巻き起こした。

内容説明

近代落語の祖にして芸界最高峰が自作自演した怪談噺の白眉。

著者等紹介

三遊亭円朝[サンユウテイエンチョウ]
1839‐1900。明治を代表する落語家。本名出淵次郎吉。音曲師橘家円太郎の子として江戸湯島切通に生まれ、幼くして三遊亭円生門下となるも、一時芸界を離れる。17歳で三遊派復興を期して円朝を名のる。以後『真景累ヶ淵』『牡丹燈篭』といった怪談噺や道具を用いた芝居噺、あるいは『塩原多助一代記』『安中草三』など実録ものの人情噺を手がけ、確乎とした地位を確立した

小池章太郎[コイケショウタロウ]
1935年(昭和10)浜松市生まれ。前進座を経て跡見女子大学教授を務め2006年(平成18)退職。近世演劇、近世文学専攻

藤井宗哲[フジイソウテツ]
1941年(昭和16)大阪府生まれ。佛教大学を経て、埼玉県・平林寺、鎌倉・建長寺で修行後、鎌倉・不識庵住職。精進料理の研究で知られる。2006年(平成18)逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

65
読友さんお勧めの累の幽霊話を基にした円朝作の怪談。高利貸し兼鍼医の娘豊志賀と彼を殺した旗本の息子新吉が男女の仲になってしまった悪縁から起こった惨事。豊志賀が新吉にお前の七人の妻に祟ってやると言い残すところ、新吉が豊志賀の弟子お久を累ヶ淵で殺すところ、顔にやけどのあとがあるお久の叔母累と新吉が結婚するなど、累の怪談の要素があちこちにちりばめられている。悪行はすべて敵同士の子が結ばれたことから起こったという宿縁説は、当時の人には何より怖いものだったのだろうか。 2018/08/26

みや

38
読書会紹介本。旗本が金貸しの鍼医を殺した因縁から両者の子孫や親しい者達が次々と不幸に陥っていく近代落語。複数の主人公による複数の物語が『因縁』によって繋がり、一つの壮大な物語となる。人間関係がどろどろぐちゃぐちゃで、わくわく感が一瞬も途切れない。時が流れて場所は変われども因縁の糸は途絶えず、悪人も善人も関係なく、ただひたすら続く不幸物語。最悪の連鎖反応。とんとん拍子に皆が不幸になっていくのが本当に面白い。あっけらかんと描かれるので読み心地は爽やか。押し倒した女が藁に紛れた刃物に刺さって死ぬ場面が特に好き。2019/01/10

いちろく

34
紹介していただいた本。縁の中でも、因縁。旗本の新左衛門が鍼医兼高利貸しの宗悦を斬殺した所から始まる、因縁。両者の子孫や関係者が尽く不幸に、少なくない人数が死に至る過程を描いた近代落語。加えて、敵同士の間柄すら婚姻関係に成るのだから、人間関係はより複雑になっていく。それでもページを捲ってしまったのは、世界観に夢中になって居たから。これもまた、読者と作品を結ぶ縁かと。余談ですが、関連本との併読もあり、読了まで時間が掛かったけれど読み応えがあったのも印象に残った。2019/05/16

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