出版社内容情報
アメリカとは何か、アメリカの成功の夢とは何か。それはこの『自伝』がだれよりも雄弁に語ってくれる。
目次
少年時代
フィラデルフィアのフランクリン
ロンドンのフランクリン
フィラデルフィアで独立
人間形成期
自伝執筆を勧める二通の手紙
十三の徳目の樹立
成功の道を歩む
社会活動
植民地防衛の軍事活動
植民地課税をめぐる対立抗争
植民地代表として再びイギリスへ
著者等紹介
フランクリン[フランクリン][Franklin,Benjamin]
1706~90。政治家、文筆家、発明家、科学者、印刷業者。ボストンのろうそく製造業者の家に生まれ、12歳で兄の営む印刷所に奉公に入る。その後、フィラデルフィアに移り、印刷の仕事に携りながら文章の錬磨に努める。買いとった新聞社から出版した暦が好評を博し、財をなす。やがて経営をパートナーにまかせ、科学・学術の分野での活動、政治活動に専念した。1776年の「独立宣言」の起草ではジェファソンを助けた
渡辺利雄[ワタナベトシオ]
1935年(昭和10年)台湾新竹市生まれ。1958年、東京大学文学部英文科卒。東京大学文学部教授、日本女子大学文学部教授・文学部長などを歴任。東京大学名誉教授。専門はアメリカ文学
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
79
あまりにも有名なフランクリンの自伝。自伝文学の古典中の古典で広く知られてかなりの影響を多くの人に及ぼしているのだが、それだけになかなか手が伸びなかったのだが、実際読んでみると本当に読みやすくて「なんだ、このおっちゃんは本当に面白い人だ~」とフランクリンの気さくな人柄が伝わってきて夢中になって読んでいる自分。アメリカ特有の成功物語として読み手に夢をはぐくむ魅力がふんだんに含まれており、非常に健やかなモチベーションを与えられた。やはり一度は出会っておくべき一冊で、すばらしい内容だ。冒頭の訳者の解説が私には邪魔2013/07/17
もえたく
12
アメリカだけでなく、日本でも明治時代に正岡子規も読んだという立身出世のバイブル。というと堅苦しい感じがするが、訳が素晴らしいのか読みやすい。教育も受けれなかった若者が勤勉と節約で印刷業者、政治家、外交官、科学者等として認められる過程はワクワクする。さすがは100$札の人。13の徳目も現在の人生マニュアルにも書いてあるそうなことばかり。勉強になりました。2014/09/04
サアベドラ
12
アメリカ的精神の体現者とされるベンジャミン・フランクリンの自伝。訳者はアメリカ文学者の渡邊利雄。貧しい生まれながら、持ち前の勤勉さと努力で印刷屋として成功する前半は典型的なサクセスストーリーとして、中盤で開陳される「13の徳目」はより良い人生の指針として、政治家として植民地議会に参加し、領主や本国政府と交渉する後半は独立前夜の北米植民地史の当事者の記録としてそれぞれ読むことができる。訳のおかげか、18世紀の文章にしてはとても読みやすい。自己啓発書として読む人には中盤以降は退屈かもしれないが、私は楽しめた。2014/03/12
Willie the Wildcat
11
前後期に分ける形で生涯を語っている。発明家というよりビジネスマン、そして政治家としての活動面に主眼をおいている。また、公私にわたる失敗にも触れられ、著名な「十三徳」も決して全て遵守していなかった点を告白していることに、氏の人柄を感じる。同時に、そのような人柄でさえ、Native Americanに対しての偏見をもっていることは、時代を如実に表しているとも感じた。歴史の観点でも興味深かった。2011/06/20
レモンメロンパン
9
1回目読了。私にとっては、期待していたような実のある内容ではなかった。しかし、話としては面白いので、もう1回読んでみようと思う。2023/02/01