中公クラシックス<br> 中世の秋〈1〉

中公クラシックス
中世の秋〈1〉

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  • サイズ B40判/ページ数 31,4/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121600004
  • NDC分類 230.4
  • Cコード C1220

出版社内容情報

絶望と歓喜、残虐と敬虔、人々の生活を彩る対極的な激情をとらえ、真の中世像を定着させた名著のオランダ語原典による完訳。目もあやな中世社会のページェントが次々に展開される。

内容説明

発展の頂点をこえた文化がたどらなければならなかった道すじ。

目次

はげしい生活の基調
美しい生活を求める願い
身分社会という考えかた
騎士の理念
恋する英雄の夢
騎士団と騎士誓約
戦争と政治における騎士道理想の意義
愛の様式化
愛の作法
牧歌ふうの生のイメージ
死のイメージ
すべて聖なるものをイメージにあらわすこと

著者等紹介

堀越孝一[ホリコシコウイチ]
1933年(昭和8年)東京都生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒、同大学大学院西洋史学博士課程修了。茨城大学勤務を経て現在は学習院大学文学部教授。学習院大学人文科学研究所所長。『中世の秋』の翻訳を終えて30年、著者ホイジンガの「イミタティオ(模倣)」を考えて、中世人が書き残した文章を読み、形と色に表したものを見る仕事を続けている。その成果に『画家たちの祝祭 十五世紀ネーデルラント』『わがヴィヨン』『形見分けの歌 ヴィヨン遺言詩注釈I』『遺言の歌 上・中 ヴィヨン遺言詩注釈II・III』(全3巻のうち。以上、小沢書店刊。『遺言の歌 下 ヴィヨン遺言詩注釈IV』と、「ヴィヨン遺言詩」全体に関わる『総索引・書目一覧』は現在準備中)がある
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

30
「中世後期を、きたるべき時代を予告するものとしてではなく、すでに過ぎ去ったものが死滅する時季としてとらえたら」という本。作者はまず「悪しき世であった。憎しみと暴力の火は高く燃え…」とこの時代の暗黒のイメージを確認します。そしてそれゆえに人々は「美しい世界」を求めたのだと。彼らが求めた夢、演じようとした美しい世界とは? それを知るにはその時代に身を置くこと。そのために、社交生活や騎士道理想について等々、当時の年代記などからの風聞が積み重ねられます。そこから確かに立ち上がる当時の人々の思考に酔うように下巻へ。2016/10/10

風太郎

7
大きな歴史の動きや、その当時の社会システムなどはほとんど書かれていません。焦点が当てられているのは、ヨーロッパ中世時代に生きた人々の考え方や習俗です。まあ、歴史は偉人だけのものではありませんし、偉人もまた多くの人、社会の中の一人なのですから、その当時の人々がどのような考え方、習俗を持っていたかということは、大変重要なことなのではないかと思います。少し変わった歴史書かもしれませんが、ものの考え方の視点を変えさせてくれ、面白いなと思います。2017/11/10

しんすけ

4
本書は歴史学上の名作と云われることもある。だが、それは間違った見解に違いない。かって10代後半と30代前半で本書を紐解いたことがあるが、どちらも1/10を過ぎたくらいで挫折してしまった。その後『ホモ・ルーデンス』を読んだが、こちらはかなり興味深く読むことができた。ホイジンガの文化人類学的な筆致を面白く感じたからだろう。やはり『中世の秋』を歴史書として読んではいけなかったに違いない。フックスの『風俗の歴史』を並行して読んだが、こちらは歴史書として読むことができた。2017/04/14

まつだ

4
100年戦争終了後のフランス。歴史に名を遺す偉人ではなく、そこに生きた人たちの暮らしをつづった一冊。やはり、中世は命が安すぎる。怖いくらいに安い。死は珍しくもなく、処刑は娯楽だ。命が安いのではなく、死と和解しているのかもしれない。面白かった。2016/10/22

袖崎いたる

3
ちびりちびりと読みはじめて一年以上経っての読了。著者によれば、中世ヨーロッパの人間は、厳かでなく、卑猥で、自由であり、無知であった。生きる指針は概ね物語や図像に由来し(これは現代でも変わらないのではなかろうか。あらゆるメディアは物語の出力形式なのだから)、教会分裂以降にあっては地上での天上への希望を失いもした。人が求めるのは<貴>と<聖>であったが、大抵の場合それは信仰心からではなく単なる好奇心という場合がざらだったらしい。2015/03/31

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