中公新書ラクレ
教育とは何?―日本のエリートはニセモノか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 192p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121505958
  • NDC分類 370.4
  • Cコード C1237

出版社内容情報

日本の教育はこのままで大丈夫か? 偏差値教育、受験戦争が子どもの個性を奪う。国際力ある人材を作るための秘策はあるか? 教育評論家の尾木直樹氏と脳科学者の茂木健一郎氏が日本の教育の問題点を徹底討論する一冊。本書は 文科省を中心にした教育行政の現状を分析。その構造的なデメリットをあぶり出し、再検討した上で次世代の教育改革を紹介する。教育現場では、教師の質の低下の危機感から個性を認めない教育の問題点を議論していく。

内容説明

この本には、日本の教育への厳しい指摘が満ち溢れています。トレーニング主義や階段を上がるように基礎から発展へと機械的に教えるステップアップ方式は、脳科学からも、それほど成果なく危険さえあるようです。高校入試や偏差値教育は害悪でしかないこと。子どもたちは、学ぶ意欲は萎え、自立力をなくしています。早急に一人一人の個性を大切にした世界基準の教育を目指していかなければなりません。

目次

ガイダンス 挑戦する脳、挑戦しない脳
第1講義 日本の教育は大丈夫か
第2講義 偏差値教育の大問題
第3講義 なぜ日本人はバカになってきたか
第4講義 大学から日本の教育を問い直す
ガイダンス 国に逆提案できるくらいの教育モデルを作ってほしい

著者等紹介

尾木直樹[オギナオキ]
1947年滋賀県生まれ。教育評論家、法政大学特任教授。早稲田大学卒業後、私立海城高校、東京都公立中学校教師として、22年間ユニークな教育を実践。2003年法政大学キャリアデザイン学部教授、12年から法政大学教職課程センター長・教授を歴任。主宰する臨床教育研究所「虹」では所長として子育てと教育、いじめ問題など現場に密着した調査・研究に取り組む

茂木健一郎[モギケンイチロウ]
1962年東京都生まれ。脳科学者。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経てソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。脳と心の関係を探求し続けている。著書『脳と仮想』(新潮社、第4回小林秀雄賞受賞)、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房、第12回桑原武夫学芸賞受賞)など多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しょうじ@創作「熾火」執筆中。

23
【1回目】考えてみると尾木ママ(←今初めて使ったよ)の著作は初めて。既出のものを再編集したものではあったが、指摘されていた内容は何ら解決していない。特に問題視されているのが、偏差値教育と一斉授業。それと大学「改悪」。教育とは一面で、人を評価することだと考えているのだが、徹底した中央集権っぷりを呈している日本の教育界の「人間観」の底の浅さからは、「この国は滅ぶ」という感慨しか出てこない。それでも私たちは、前に進むしかない。他人のために灯をともせば、自分の前も明るくなるのだ。2017/10/27

マグカップ

15
「教育犯罪」「学びのアレルギー」「心への犯罪的行為」など、現在の教育に対する辛辣な言葉が沢山出てきました。尾木さんも茂木さんも、単なる数値上の学力(偏差値など)一本で序列化して評価するのではなく、子どもたちの個性を伸ばすための「個に寄り添う教育」が必要であると説いています。ただ、以前読んだ「暴走する能力主義」という本の内容と照らし合わせて考えると、お二人の意見に対して少し思うところがありました。2020/05/27

13
「関心・意欲・態度」を褒められると嬉しいが、その評価を維持しようとすると疲れる。実際に、自分は人の目を気にしすぎて何度もパンクした(笑)。子どもなんだから、もっとスケールの大きい失敗をするべきだったと後悔▼60年代からライフシフトに近い考え方を採り入れ、本格的な制度に昇華していたスウェーデン、進んでいるな…。それだけ国民も自立しているということなのだろうけど。2018/04/10

isao_key

12
2013年9月刊行の本を一部抜粋、再構成し、加筆を加えた。二人の対談が3分の2、残りを尾木先生の論文が載せられている。ただ論旨は『取り残される日本の教育』と同じなのが残念だった。序文で茂木先生が市川海老蔵は東大には入れないがAO入試があるハーバードなら入れるだろうと言い、東大の入試を批判しているが、『教えてみた「米国トップ校」』には全く逆で、東大は入れるが(試験に受かれば)、ハーバードには絶対入れない(高校の成績がオールA+エッセイを書く必要がある)と書いてある。偏差値システムが一概に悪いとも言えない。2017/10/05

avalanche

5
尾木ママの尾木直樹としいての鋭さが垣間見れた。確かに現在は一斉授業で個を伸ばす教育とはいいがたい。しかし、長く長く続いてきた教育制度や教育形態を一気に変えるのは難しそう。特にそれらを小中高とつながりを持ってかえていかなければならないので大変だ。大学入試制度の変更がどれだけのインパクトになるのかいまから楽しみではある。2017/12/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12210167
  • ご注意事項