中公新書ラクレ
リクルート事件・江副浩正の真実 (改訂版)

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  • サイズ 新書判/ページ数 477p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121503602
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C1221

内容説明

「教科書にまで書かれた事件。(中略)黙って死ぬわけにはいかない、という私の気持ちがあった」(「はじめに」)。当事者がすべてを語った、現代史の証言にしてすぐれたノンフィクション。

目次

リクルート事件1―発端(会長退任;国会証人喚問;政治家との交わり)
リクルート事件2―特捜の取調べ(特捜部とメディアの“共演”;拘置所での取調べ;現代の拷問;政治家ルート)
リクルート事件3―保釈後から裁判開始まで(保釈後のこと)
リクルート事件4―裁判(裁判開始;政界ルート;労働省ルート;NTTルート;文部省ルート;調書の信用性;論告求刑・最終弁論・判決)
リクルート事件5―リクルート事件に関連して(長いあとがき)

著者等紹介

江副浩正[エゾエヒロマサ]
昭和11年大阪市生まれ。昭和30年甲南高校卒。昭和35年東京大学教育学部卒業後リクルートの前身、株式会社大学広告設立。昭和46年財団法人江副育英会発足。昭和63年リクルート会長退任。現在は、江副育英会理事長およびラ ヴォーチェ代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

38
検察の強引な手法は佐藤優氏などの著作で既知なのだが、本書に描かれる検察の組織ぐるみの強引さは、著者自身がその被告であったことを割り引いても、「ここまでやるか」の顛末に息を飲む思い。この事件は朝日新聞の調査報道の金字塔という評価もあるようだが、視点を変えれば「メデイアが捜査官で、検事が取調官」との本書での表現があるように、第4権力のマスコミを検察・裁判所が忖度したように見えるのが印象的。本事件と並行して起訴された脱税事件や、江副氏の本件のような大盤振舞いを「精一杯の背伸び」癖との独白など興味深い事柄が多数。2021/07/05

SOHSA

18
《購入本》事件当事者自身による著作だけに内容に迫力がある。事件当時、私自身も報道のとおりリクルート社、コスモス株譲渡による贈収賄事件だと考えていた。しかし、どうもそう単純な話ではなかったようだ。特捜部の捜査手法はその後、大阪地検特捜部のよる郵便不正事件等により問題視され、取り調べ可視化など刑訴法改正にまで至った。一方でリクルート側の常識はずれとも云える多額・広範囲な政治献金、株式譲渡の真意は、本書を読んでも腑に落ちない。しかし、この事件が(→)2016/06/02

テキィ

8
法律上の罪と倫理上の罪の混同という小題が印象に残る。フェアの概念が定められたルールでなく、あくまでも空気という辺りがこの国のやり方なんだろう。なかなか気づかないんだよな。2013/06/16

山男777

4
著者本人があっちこっちバラ撒いた未公開株の賄賂性を巡っての自叙伝。一代築き上げたその手腕は凄いが、本の内容を見ると純粋に政治的な献金とみられるだろうか。見返り0でなかったであろうか。賄賂性は本人の自白云々以外にないとは驚き。当時の検察はメディアのさじ加減で特捜部の捜査in。検察自作の調書を認めるまでロング収監。その後の超ロング裁判結審まで13年。犯罪として認めれば113日も牢屋に入ることもなかった。結句有罪に。。検察の壁に向かって立ってろ椅子を蹴とばす更に大声。絶対権力を背景に、司法の世界は異空間。2015/11/25

よしお

4
筆者も断っているように、あくまで江副浩正の視点による回顧録である。ただ、それを念頭に置いて読んでも、衝撃を受けた。マスコミの影響力、検察のやり方(事前のストーリー作り、それに沿った強引な調書の作成など)、裁判所の検察調書偏重の姿勢などによって、事件に巻き込まれていった人の様子が克明に記されている。最近の検察の不祥事を見ていると、リクルート事件でもこの本に書かれているようなことが、実際にあったのではないかと感じた。取調べの全面可視化に向けた議論が求められていると思う。2010/10/03

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