出版社内容情報
ベストセラー『世界の日本人ジョーク集』待望の続編。昭和モボ・モガから始まるお笑いブームの傑作を通じ、戦前の日本人像を紹介
内容説明
昭和初期の日本、そこでは空前のお笑いブームに人々が目を輝かせていた!当時の傑作ジョークの数々を通じ、今のわれわれと変わらない、戦中の日本人の鋭敏な笑いのセンスを紹介する。
目次
第1章 満州事変とエンタツ・アチャコ―昭和六~九年(横山エンタツ・花菱アチャコ「洋行」;「殴るぞ!」 ほか)
第2章 モダンな笑いを追い求めて―昭和一〇~一一年(「非常時を横切る」;「皮肉な」 ほか)
第3章 日中戦争下で花開く漫才―昭和一二~一三年(柳家金語楼「漫談 牛の夫婦さん東京見物です」;「漫才」 ほか)
第4章 第二次世界大戦をも笑いのネタに―昭和一四~一五年(桂三木助「千人針」;「我慢ならぬ」 ほか)
著者等紹介
早坂隆[ハヤサカタカシ]
1973年、愛知県に生まれる。ルポライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユウユウ
24
笑いの力って大事なんだな。今でも通用するようなジョークがあることも新鮮。利用される部分もあるだろうけど、それでも人は明るい方を向こうとするのですね。2019/10/08
てつのすけ
15
戦時下というと暗いイメージを持つが、多くの人にとっては、日常の延長である。だから笑いもあって当然だ。本書は、その当たり前のことを思い出させてくれた。2023/11/28
北本 亜嵐
9
とかく「暗い」と言われがちな昭和初期の日本だけど、現代に匹敵する「お笑いブーム」があったとは初めて知りました。どんな時も「笑い」に救いを求める日本人の逞しい姿が読み取ることが出来、今読んでも「クスッ」となりそうな漫談や小話に溢れています。2015/05/06
takao
3
ふむ2024/02/09
なお
2
戦時下の娯楽。戦争という暗い面がある一方で庶民の娯楽への感覚は教科書からは分からない自由で現在にも通用する笑いがあった。もちろん、戦争が泥沼化するにつれ漫才のネタに検閲が入り政府の方針を肯定する宣伝として使われている所は否定できないが「(配給の)切符が足りない」と「頭が足りない」を掛けている所は解釈によっては政府批判にも取れるので、ある程度の融通があったことが分かる。2016/10/11