中公新書ラクレ
少年犯罪被害者遺族

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  • サイズ 新書判/ページ数 190p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121502346
  • NDC分類 368.7
  • Cコード C1236

出版社内容情報

改正少年法でも癒されない少年犯罪被害者の遺族たち。本村洋氏らの肉声を通して明らかとなる日本社会の病巣。真実の言葉を伝える一冊。

内容説明

改正少年法の施行後も癒されない、少年犯罪被害者の遺族たち。彼らの声を受け入れられない社会をこのまま容認し続けていいのか?彼らの肉声に耳をすまし、我々の社会の病理を考える。

目次

第1場 一生赦さないことを大切にしたい―武和光・るり子夫妻との対話(原則逆送と検察官関与について考えること;被害者遺族が怒ると「攻撃性が強い」と判断する調査官 ほか)
第2場 人権は誰のためのものなのか―宮田幸久さんとの対話(事件の真相を知るために;加害者の人生になんら関心はありません ほか)
第3場 本当の償いとは何ですか―村井玲子さんとの対話(息子を殺した加害者の顔さえ知らなかった;修復的司法への期待と失望 ほか)
第4場 司法と報道のあり方を問う―本村洋さんとの対話(被害者の審判参加権と「知る」権利の確立を;加害少年の再犯と司法の責任 ほか)

著者等紹介

藤井誠二[フジイセイジ]
ノンフィクション・ライター。1965年、愛知県生まれ。学校問題や犯罪被害者などの社会問題を精力的に取材し、執筆活動を続けるほか、TBSラジオ「アクセス」のパーソナリティーや明治大学・愛知淑徳大学の非常勤講師も務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みなみ

12
少年犯罪被害者遺族とノンフィクション・ライターである筆者の対話集。被害者や遺族は何を求めているのか、被害者遺族の想いがストレートに語られる。もちろん、被害者遺族の求める制度改正等はすぐには実現は難しいかもしれないが、世論形成のためのマスコミの役割の大きさを改めて感じた。被害者の立場に立って考えるという想像力の大切さ、難しさを感じながら読了。2018/07/22

まんゆう

3
少年犯罪被害者遺族の声を記者との対談から書籍化されたもの。2006年に出されたものなので少し古いが、被害者遺族の声を聴くには充分だった。少年犯罪の被害者遺族に迫られる現実は、加害少年を守るために真実を知らされない現状や、加害少年に優位された少年法の壁、赦しを求める一般大衆からの期待…等あまりにも過酷なものだった。少し調べてみたが、未だに少年法では「和やかな雰囲気」を求めていることに違和感を覚える。加害者が少年であるからこそ、更生は贖罪意識を取り除くことではなく植え付けることの方が正しいのだ。2018/05/31

鈴木律

2
当事者の生の声は重い。被害者と加害者がお互いに歩み寄ることで先に進む、というプログラムの話を以前読んだけれど、実際の被害者側はそんなことは無理だし、許すことがいい被害者というイメージが作られることにも納得がいかない、というところを読んで、その気持ちに寄り添うことが大事と思った。考えてみると本当にひどい話で、被害者、特に少年犯罪被害者はもっと手厚く補償されてしかるべき。少年院の更正プログラムなどが少しずつ変化してきているとのこと、制度改革に期待。2021/08/12

1
まず思ったことは、「知らないことを軽々しく論じるべきではない」ということ。被害者・遺族から見る少年法や裁判等の手続きそのものの問題についてはじめて触れた。なんとも難しい。いろいろと感じたことはあるけどうまく言語化できない。2019/07/14

honmakainaa

1
被害者遺族との対談形式。タイトルかや帯から想像するような、感情に訴えかけるだけの本ではない。四者四様に、現行制度に対する理解を示したうえで、納得できない点を述べている。考えさせられた。いい意味で意外。2011/06/10

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