内容説明
原子力の報道はこれまで正確かつフェアになされてきたのか。近年の原子力報道を徹底検証し、ゆがみを生じさせた要因に鋭い分析を加えたメディア批評の秀作。
目次
プロローグ 「十九兆円の請求書」
第1章 原子力報道の歴史(開発当初は世論もマスコミも大歓迎だった;いつの間にか広がった反対ムード ほか)
第2章 マスコミの宿命(繰り返すミスリードの歴史;エネルギー問題はどう報道されてきたか ほか)
政治に翻弄されて(政治家が避けたがる原発問題;社会党が唱えてきた「反原子力」の中身 ほか)
第4章 原子力の報道を考える(「原子力報道を考える会」の発足;記事の品質保証 ほか)
著者等紹介
中村政雄[ナカムラマサオ]
1933年、山口県生まれ。九州工大工学部卒業。読売新聞社入社後、東京本社社会部、科学部記者、解説部次長、論説委員として原子力や環境、宇宙開発、科学技術全般を担当、中東の石油や欧米の気象、ゴミ、海洋開発、原子力事情など海外取材の経験も多い。現在、科学ジャーナリスト、電力中央研究所名誉研究顧問、東京工大大学院非常勤講師。著書多数
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感想・レビュー
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Humbaba
6
報道は必ずしも真実が伝えられるわけではない。また、好意的に報道をしたとしても、それが相手に伝わるとも限らない。基本的に物事には二面性がある。その片面だけを熱心に報道したとしても、実態にそぐわないためにそれを知る人は呆れて見向きもしない状態になってしまう。2017/07/01
さかな
1
☆☆☆☆☆ 図書館本 2019/07/21
アルゴン
1
★★★★☆東日本大震災のかなり前に書かれた本。筆者がこの本で論じていることは間違ってないと思います。昔も今もはびこる偏向報道に対する警鐘として非常に説得力があります。原子力反対が日本を含めた各国で政治に利用されていたという事実も読んでいて衝撃を受けます。筆者の言うことは間違っていないと思うのですがあの事故は起こってしまった。そこに世の中の難しさを感じます。2013/12/17
Kazyury
0
3.11以前に出版された、元読売新聞の人(by wikipedia)によるメディア批判。著者の基本的な立ち位置は原発推進側(当時)のようなので、主な批判の方向性は「危機感を煽るマスコミと煽られる大衆」的なプロト。 今となっては後出しジャンケンだから著者の主義やスタンスに難癖をつけるつもりはないし、「客観報道」の原則(建前)を推すのもいいんだけど、客観報道なんて幻想じゃないかなとか、大本営発表になってしまうのもなー、とか思うのであります。2015/04/30
せんにん
0
どのように原子力発電が導入され、報道され、推進されてきたのかを描く。福島の事故前に書かれた本であるが、なるほどなるほど。全てが正しいとも思えないが、一部は正しいのだろう。原発導入当初は否定的な論調は一切無かった、とか。2014/01/18