中公新書<br> 革新自治体―熱狂と挫折に何を学ぶか

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革新自治体―熱狂と挫折に何を学ぶか

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  • サイズ 新書判/ページ数 211p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121023858
  • NDC分類 318.2
  • Cコード C1221

内容説明

一九六〇~七〇年代に蜷川虎三、美濃部亮吉、黒田了一、飛鳥田一雄など個性的な首長を擁し、脚光を浴びた地方の革新自治体。だが、現在では、「巨額の財政赤字をもたらした」というレッテルのみで語られがちだ。本書は、革新自治体の台頭の背景から政治的取り組みまでを詳述し、その功罪も描く。国政とも深く関係して躍進し、そして消えていった地方の“左翼政権”は何を残したのか。現在の国政や地方自治を再考する試み。

目次

第1章 地方自治制度の変遷と革新政党
第2章 社会党の自治体政策と高度経済成長
第3章 「革新自治体の時代」の始まり
第4章 戦後政治体制の動揺と革新自治体
第5章 保革相乗りの時代へ
終章 革新自治体をめぐる考察

著者等紹介

岡田一郎[オカダイチロウ]
1973年、千葉県生まれ。96年筑波大学第一学群社会学類卒業。2001年筑波大学大学院博士課程社会科学研究科修了。博士(法学)。現在、小山工業高等専門学校および日本大学非常勤講師。専門は日本政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かごむし

23
「革新自治体」とは、社会党・共産党などの革新勢力が首長となった地方自治体のこと。筆者が社会党史を専門とする学者であるため、主に社会党の立場から論じられている。取り扱われている時代は、美濃部亮吉が東京都知事を務めていた1967年~1979年のあたりなので、一昔どころか、三昔くらい前の時代。そもそも僕が生まれる前の政治史なのだが、そんなに古い話しに感じなかったのは、今もやっていることがあまり変わらないからだろうか。政党の枠組みは大きく変わったけれど、現在につながる根っこみたいなものが垣間見えて興味深く読めた。2016/08/17

coolflat

19
革新自治体とは自民党の支援を受けず、社会党と共産党という革新政党のいずれか一方、または両方の支援を受けた首長を擁する地方自治体のことである。1975年の統一地方選挙の結果、革新知事を擁する都府県は東京、大阪、京都など9つに達し、革新系市長から成る全国革新市長会の会員数も72年には132に達した。60年代後半から70年代、それらの自治体では、経済成長優先の自民党政治に対抗して福祉優先の政治が提示され、地方議会における革新勢力の脆弱性を克服するため、住民の意見を直接吸い上げる直接民主制的な手法が模索された。2020/02/01

Tomoichi

17
戦前の自治制度の説明から始まり、革新自治体の終焉までを社会党の歴史とともに分析。私が記憶にある政治的事件は大平総理の急死なので美濃部や黒田などの革新首長の名前は知っていても実際を知らなかったので勉強になりました。彼らの主義主張は受け入れられないが再評価して良い部分があることは認めるべきであり、彼らの施策を吸収していった自民党は懐が深い。反対に社会党の体たらく、民進党は完全に彼らのDNAを引き継いでいる。地方自治・政治に興味のある方、オススメ本です。2017/04/05

浅香山三郎

8
「革新」といふコトバが最早多くの人々にピンとこなくなつた時代に、改めて革新自治体なるものの意味を問ふ試み。著者は、日本社会党史を研究する政治史家で、それゆへに革新自治体の流れを社会党内の派閥抗争や、党の政権構想の模索と挫折と関はらせて説く。飛鳥田一雄や江田三郎の模索した、市民のなかにしつかりした基盤をもつ党の確立が失敗し、労組や社会主義協会に依存せざるを得なかつた党の構造的な弱さにも言及してゐる。敢へて言へば、革新自治体を支へた下からの動きや、何故共産党が伸長したのかといふ点により肉付けが欲しかつた。2016/11/18

sk

6
地方に革新的な首長が生まれた時代があった。社会党との関連で重厚に論じている。2021/06/20

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