中公新書<br> 弔いの文化史―日本人の鎮魂の形

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中公新書
弔いの文化史―日本人の鎮魂の形

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  • サイズ 新書判/ページ数 295p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121023346
  • NDC分類 385.6
  • Cコード C1214

出版社内容情報

古代から源信、蓮如らによる弔いの作法を辿り、現在まで続く巫女の口寄せ、絵馬や花嫁・花婿人形の奉納などの風習に鎮魂の形を探る。

内容説明

日本人は天災や戦争によって非業の死を遂げた者をどのように弔ってきたのか。『古事記』『日本書紀』を起点に仏教説話集『日本霊異記』の世界に分け入り、念仏結社を作った源信、女人救済を説いた蓮如らによる弔いの作法を歴史的に辿る。さらに死者の霊を呼び寄せる巫女の口寄せ、ムカサリ絵馬や花嫁・花婿人形の奉納など現在も続く風習を紹介し、遺影のあり方をも考察。古代から東日本大震災後まで連なる鎮魂の形を探る。

目次

天災と弔い―鴨長明の作法
第1部 弔いの作法(鎮魂とは何か―折口信夫の鎮魂論;火葬と遊離魂の行方―『日本霊異記』の世界;弔いの結社と臨終の技法―源信の「臨終行儀」と活動;女人の救いと弔い―蓮如の実践)
第2部 弔いの風習(死者の霊魂の行方;弔いとしての口寄せの語り;ホトケ降ろしの語りと弔い;弔いの形としての絵馬・人形;災厄と遺影)

著者等紹介

川村邦光[カワムラクニミツ]
1950年、福島県生まれ。東北大学文学部卒業。同大学院宗教学修士課程修了、実践哲学博士課程単位取得満期退学。天理大学教授を経て、97年より大阪大学大学院文学研究科教授。専攻は宗教学、近代文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

59
前半は古代の殯から火葬、念仏結社を経て蓮如まで葬送儀礼を時代ごとに追う構成になっており、後半はイタコの口寄せに死後結婚、遺影を手掛かりに民衆の霊魂観を考察する構成になっている。あたかも縦糸と横糸の如し。ただ後半は興味深かったものの、前半は中世までで終わっているために中途半端な感じ。先に現代までの葬送の変遷を追った本を読んだせいかなあ。逆に後半は読み応え十分。折口信夫の霊魂観や遺影雑感も面白いが、イタコの口寄せのルポが何よりも興味深い。これらを読むと、現代の生者の癒しが死者と断絶しているようにも思えるなあ。2016/02/03

モリータ

14
整理された論文・概説スタイルの読み物ではないので、効率よく客体的な知識を得ようとするのではなく、繰り返しや筆者の推測的表現を通じて脈絡をとっていけばいいと思う。なぜいきなり鴨長明の章なのか、挿入された写真と本文が必ずしも直接の関係がないのではないかといったことも気になるかもしれないが…。2016/02/02

かりんとー

6
こういうことを研究したいです。てか著者と自分の興味が似ていてびっくりしました。2022/04/10

Ironyuc

6
日本人の死生観、死後の世界にまつわる認識を体系的・時系列的に知りたいと思い購入。しかし中身は折口信夫の研究成果を紹介したうえで、さらに彼の「盆踊り観」を支持する事例を紹介…という流れで、目的はあまり達せられなかった。とはいえ、「タマフリ/タマシズメ」「古事記由来の死生観と仏教的死生観」といった重要なテーマに関する理解が深まったのでまあよし。2017/11/24

てくてく

5
第Ⅱ部の、特に第6章の口寄せやムカサリ、花嫁・花婿と弔いについての箇所からが本書の真骨頂だと思われた。未婚で亡くなった人の婚姻については、日本以外にも冥婚としての制度が残っているはずなので、そのあたりも盛り込まれていると良かったのではないかと思った。2015/10/12

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