中公新書<br> 論語―真意を読む

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中公新書
論語―真意を読む

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  • サイズ 新書判/ページ数 277p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121021533
  • NDC分類 123.83
  • Cコード C1210

内容説明

『論語』の研究は近年大きな転換期を迎えた。竹簡資料が大量に古墓から発見され、成立や伝播について新たな解明が進んでいる。本書では、『論語』の記述をわかりやすく解説するとともに、新知見や成立背景にも踏み込み、さらに深い理解をめざす。読み過ごされてきた孔子の言葉についても積極的に考察を行った。『論語』が後世に伝えようとしたことは一体何なのか。通り一遍ではない、新たな古典の読みを提起する。

目次

『論語』の中の異音
第1部 『論語』の成立と展開(孔子の言葉と弟子たちの記録;新出土文献から見る成立の過程;漢代における広範な伝播 ほか)
第2部 『論語』を読み解く(「語」としての『論語』;師と学の書;為政と君子の書 ほか)
第3部 『論語』と孔子(古代中国の夢;孔子の夢をめぐる『論語』注釈史;中国思想と孔子の夢 ほか)

著者等紹介

湯浅邦弘[ユアサクニヒロ]
1957年島根県生まれ。大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。北海道教育大学講師、島根大学助教授、大阪大学助教授を経て、大阪大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

12
論語理解の二千年に新たな一矢を投じる熱い本であると同時に、論語そのものが熱い本に見えてくる楽しい本だった。◇卑賤の出身だった孔子は、既存の師にはつかず、自ら学び続けて身を立てようとした存在。論語は、その孔子を理想として、学ぶことで実世界で活躍するためのマニュアル。出自によって運命が決まる世界を無化する本、体制を自ら切り開くための本。今の我々にとっても武器になる。◇「天命を知る」とは絶望のこと、と読んだ徂徠や、原典をありのままに読もうとした懐徳堂の履軒など、江戸期の読み手の熱さが知れたのも良かった。2013/05/06

よしひろ

9
東アジアで人々に重視された儒教。その思想が人間の行動を規定し、社会を作ってきた。日本も儒教的な考えに基づいて、勤勉に努力してきた国民だと言える。それは、ヨーロッパの生み出した思想と重なるところもあれば、異なる部分もあると思う。いずれにせよ、論語を知ることで東アジアについて、より深く理解できると思った。2016/03/13

6 - hey

7
さまざまな本がでている論語に新たな視角を加えた本。また「論語をどう読むか?」ではなく「論語がどうよまれてきたのか?」がわかる貴重な本。2013/04/30

左手爆弾

6
割と難しい。権威ある書物として扱われる『論語』であるが、実は『論語』は内側に不統一を含む、謎が多い書物である。新資料の発見などで『論語』はむしろ自由に編纂が進められ、細かい字の入れ替えなどもしばしば見られる。それらを踏まえて、古注や新注、さらには伊藤仁斎などの日本の注釈者なども踏まえながら、『論語』の多様な読み方を検討していく。最終章は「孔子の夢」をめぐる筆者自身の見解も示される。「なぜ『孔子』という名前の書物はないのか?」という問いは非常に面白いと思った。2023/03/03

Yamanaka Shinya

5
現在、著者の講義を実際に受けている。この本が教科書として指定されているのである。近年発掘された新資料から得られた知見を盛り込んでおり、かつ、盲目的に『論語』を聖典とみなさない、中立的な文章なので説得力がある。あとがきで、新出土資料を「確信犯的に」認めない研究者に対する批判が書かれていて、そこが一番面白い。2012/05/06

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