中公新書
金融が乗っ取る世界経済―21世紀の憂鬱

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  • サイズ 新書判/ページ数 242p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121021328
  • NDC分類 332
  • Cコード C1233

内容説明

過去三〇年間、アングロ・サクソン諸国の資本主義の進展には一つの目立った特徴があった。金融業が実体経済に対する支配権を強化していく「経済の金融化」傾向である。時として金融市場が危機状態に陥ることだけが金融化を問題視する根拠ではない。それは、社会、政治、教育などにも憂うべき結果をもたらす現象なのだ。金融改革、弊害の是正はいかにあるべきか。日本の社会や資本主義への理解が深い碩学による警世の書。

目次

金融化ということ
資本市場の規模拡大
実体経済の付加価値の配分
証券文化の勃興
社会を変える金融化
金融化の普遍性、必然性?
学者の反省と開き直り
「危機を無駄にするな」
国際協調
「適切な」報酬制度
現状維持に終わる金融改革
金融化は不可逆的か

著者等紹介

ドーア,ロナルド[ドーア,ロナルド][Dore,Ronald P.]
1925年、イギリスに生まれる。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院卒業。戦時中、日本語を学び、1950年、江戸教育の研究のため東京大学に留学。カナダ、イギリス、アメリカの大学の社会学部や政治学部教授、ロンドン大学LSEフェローを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

もりやまたけよし

25
金融に関する雑多な知識は増えたように思う。何がどう問題なのかをもう少し論理的に経済学的に知りたかった。2023/03/01

ちくわん

14
2011年10月の本。経済学は、なかなか難しい。しかし、割合最近の世界経済を語っているので、まだ理解できたか。それよりドーア氏は本書を日本語で書かれたのだろうか?そうともとれる記述があるか、そうであれば…。ドーア氏の方が遥かに気になる。2020/08/13

さっちも

11
理解が難しかった。ところどころは、なるほどと思える箇所があったのだけど、、、農工商が商売と信じていたが、世の金持ちの比率は金融業がかなりの割合あり。また増大しているらしい。それでも額に汗して働きますか?2018/03/09

中島直人

10
ギャンブルに明け暮れ、実質的な価値を何んら生み出さないにも関わらず、高額な報酬を得ながら社会への支配力を増大させていく金融資本に対する著者の憤りがひしひしと伝わってくる。ただ、数字が無茶苦茶(通貨単位の翻訳誤り?)なのが気になって仕方がなかったのが玉に瑕。2017/04/16

Kentaro

5
ひとつは、企業がますます投資家の所有物となっていった。二つ目は各国政府が金融による富の創出に腐心し、証券文化の普及に努力した。三つ目は、直接金融と称して金融業者が高度な金融工学を駆使し、貯蓄者や投資家と融資や保険を必要とする実体経済のキープレイヤーと投機的な市場を作り上げ大儲けしたことである。 特に三つ目がリーマンショック問題の元凶だ。 ただし前者二つは、格差を拡大し、不確実性や不安を増大させ、信用と人間関係の歪みを生んだ。 やはり、一部の人間が世界の大多数の富を独占している状態が望ましいとは思えない。2018/08/08

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