中公新書<br> 経済成長は不可能なのか―少子化と財政難を克服する条件

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中公新書
経済成長は不可能なのか―少子化と財政難を克服する条件

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  • サイズ 新書判/ページ数 257p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121021168
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C1236

内容説明

日本社会全体に閉塞感が漂っている。経済は停滞し、年金や医療など社会保障問題も深刻化するばかりだ。大震災の復興財源もおぼつかない。経済成長こそが復活の鍵であるが、日本はもうそれを望むことはできないのだろうか。本書は、日本経済を取り巻く四つの難問―デフレ、財政難、円高、少子化―を社会学の目で整理し、どのような方法でそれらを解決し、経済を成長させることができるかを提示するものである。

目次

プロローグ 日本が抱える四重苦
第1章 行財政改革論の神話
第2章 「失われた二〇年」の要因論争
第3章 円高の桎梏
第4章 少子化をどう乗り越えるか
第5章 増大する社会保障費の重圧
第6章 未来への投資
第7章 まずはデフレの脱却から

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kochi

17
日銀引き受けによる国債発行の拡大で必要な財政支出(少子化対策等)を行い、経済成長を確立させ、その後、成長の妨げにならないタイミングで消費税率を上げて、税収増を図り、ある時点から国債発行額を減らす。これが著者の日本経済四重苦(デフレ不況、財政難、国債残高、少子化)解決のシナリオ。問題は、経済成長を促す財政支出は何なのか?ということか…。経済現象もスーパーコンピュータ内でシミュレーション出来れば、政策決定に生かせるだろうに。実際の所どうなんでしょう?2012/04/01

佐島楓

11
読んでいて胃がキリキリ痛くなった。日本の経済状態がこれほど悪いとは・・・。震災後出版された本だけあって、明らかに異常事態になっていることが実感できた。財政のムダと呼ばれる部分の扱いや、生産性という言葉の意味など、自分の認識が間違っていた点も理解できた。バブル崩壊後の日本経済の情勢がまとまっていてわかりやすい本だった。ただ、国内の問題がメインなので、グローバルな視点での活路ならまだ拓けそうな気もした。2011/09/15

saiikitogohu

3
「ムダを排除しても成長にはつながらない…①何が本当にムダとみなしうるかに関係なく、政府支出の何かを削減すれば、それ自体としてGDPにとってはプラスにならず、マイナスになる②GDPの観点からみれば、ある政府支出をムダだとみなすならば、そのムダを削減する一方で、ムダでない何か、に対して支出する必要がある…ある政府支出の削減が望ましいのは、それによって浮いたお金がより有効なかたちで使われるとき」「行財政改革の論理は…政府が果たす役割、実施すべき政策を制限し、国民にとって必要な政策を排除してしまう」42-452019/11/10

yamikin

3
社会学者が社会学のスキームで現在の日本経済を捉えた本。語り口も社会学っぽい。結論から言えばまず国債を発行して財政支出増やして経済成長したところで増税にしようっていう主張です。結論はわりとオーソドックスだと思いますが、民主党・小野善康氏らの増税肯定派とは対立するかな。他にも、日本の国債は内貨建ての対内債務だからヤバくなっても日銀が政府にワンクリックで融資できるからデフォルトの危機は少ないとか、セオリー通りの話です。印象に残ったのは「ムダの削減」なんて経済成長しないからいいことなしって主張。うん、かもなー2013/07/04

nutts

3
本書にかけているもの①用語の定義、②数字とその算出根拠、③経済成長を遂げた暁の日本のビジョン。「単なる希望的観測や思いつきや近視眼的政策ではなく、論理的にきっちりとして実効性のある中長期的な展望を描き、そのなかに様々な政策手段を整合的に位置付けなければならない」とまとめてあるが、それがなぜ、20年以上にわたりうまくいかないのか、その構造上の問題にメスを入れ掘り下げるか、新たな処方箋を提示しない限りは、虚しい。政治に答えを求めるなら、アプローチが違うと思い、残念。2011/09/27

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