中公新書
科学の横道―サイエンス・マインドを探る12の対話

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 274p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121021045
  • NDC分類 404
  • Cコード C1240

内容説明

街中にこんなに科学技術があふれかえっているのに、私たちは科学に対してある距離感を感じている。それはなぜか?本書は、芸術、文学から介護、はたまた政治など異分野の第一人者たちが、科学とどう接しているか、科学についてどう考えているかを探り出す試みである。脱線、寄り道も無駄じゃない。生活現場の実感と科学技術の普遍とを行き来する一二の対話のなかに、今まで気づかなかったものが見えてくる。

目次

科学は日本で、どれくらい“文化”なのか?―茂木健一郎との対話
1 芸術×科学(アトムの先に訪れる未来を夢見て―浦沢直樹との対話;科学とアートが一人のなかに共存するわけ―児玉幸子との対話;「超ひも理論」はどんな音楽を奏でるか―吉松隆との対話)
2 言葉×科学(余白をとりこんで科学を語るということ―堀江敏幸との対話;真理を導きだすプロセスは、すべての学問に共通だ―牛場潤一との対話;言語も生物も、多様だからこそ世界は楽しい―黒田龍之助との対話)
3 社会×科学(科学の「わからない」面白さを伝えたい―元村有希子との対話;理科的思考力はどこに生まれ、何にいたるか―小川眞士との対話;介護と科学の“モード2”をさぐる―三好春樹との対話;ヒトは環境と対話する社会的動物―嘉田由紀子との対話;神なき時代の科学と技術、そして人間―東浩紀との対話)

著者等紹介

佐倉統[サクラオサム]
1960(昭和35)年東京都生まれ。東京大学文学部心理学科卒業。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。チンパンジーの社会生態学で理学博士号取得。三菱化成生命科学研究所特別研究員、横浜国立大学経営学部助教授などを経て、東京大学大学院情報学環教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

38
対談集。みなさん文系・理系を超越していらして、とても人として魅力的で学ぶところが多かった。どうしても受験で二分されてしまうけれど、本来の学問というものはそういうことではない。もっと広く深く、魅力に満ちたものなのだ。2015/05/14

どんぐり

21
脳科学と社会の関係についての研究プロジェクトに取り組んでいる東大教授の佐倉統が、芸術、言葉、社会と科学の可能性を探る対話。ゲストは脳科学者茂木健一郎、漫画家浦沢直樹、メディアアーティスト児玉幸子、作曲家吉松隆、作家堀江敏幸、生命情報学者牛場潤一、語学教師黒田龍之介、新聞記者元村有希子、理科教師小川眞士、PT三好春樹、滋賀県知事嘉田由紀子、批評家東浩紀の12人。ゲストは異分野で活躍するも、理系の素養をもった一家言の人たち。特に面白かったのは、吉松氏の西洋音楽に対する以下の発言。「すべてキリスト教の所為ですね2013/12/28

壱萬弐仟縁

11
著者と12人の方々との対話集。気楽に話しているようでいて真面目な内容という本。児玉幸子氏は、「藝術には、何も特別なことは必要ありません。作りたい、という欲求は自然に湧き上がってくるので、それに従って、どんな場所にいても、そのときの考えや自分にできる範囲で作るだけです」(62頁)。私も昨年シナリオライトを試みたら、書けること、書けること。自分でも驚くほどであった。三好春樹氏の「介護は哲学を、哲学は介護を求めている」(205頁~)の節。人間に焦点をあてること。2013/11/10

おおかみ

10
「科学を文化に」のキャッチフレーズにも窺えるように、科学が文化に十分根づいているとは考えられない日本社会。その反面、身の回りには科学技術が溢れている。考えてみれば奇妙だが、では、科学は現在どのように芸術や言葉や社会と関わっているのか。それを探るために、茂木健一郎、浦沢直樹、堀江敏幸、嘉田由紀子、東浩紀らとの対談が繰り広げられる。編著者が説くのは「客観性と物語性」のバランスの重要性。これからの科学知のあり方について考えるために最適の一冊である。2011/04/26

Saiid al-Halawi

9
黒田龍之助を目当てに購入。科学は実生活へのフィードバックというか実利の側面ばかり注目されてるけど、その背景にある、科学を科学たらしめてる文化・思想基盤にスポットを当てたみた、という内容。科学的手法の発見で僧院とアレク図書館が陳腐化して研究が一時的に鈍る現象もたぶんこの本を読めば理解できる、、、?2013/02/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/3006205
  • ご注意事項