内容説明
パタゴニアは、南米大陸の南緯40年以南、アンデス山脈が南氷洋に沈むホーン岬までを含む広大な地だ。豊かな森と輝く湖水が美しい北部、天を突き破らんばかりの奇峰がそびえ、蒼き氷河に彩られる南部、そして一年中強風が吹き荒れる地の果てフエゴ島…。変化に富む自然に魅せられて移住した写真家が、鋭鋒パイネやフィッツロイ、バルデス半島のクジラ、四季の花や味覚、そして人々の素朴な暮らしを余すところなく紹介する。
目次
序章 森の生活
第1章 森と湖の国・北西パタゴニア
第2章 海と火山の国・北東パタゴニア
第3章 花と虹の国・南西パタゴニア
第4章 風と氷河の国・南東パタゴニア
第5章 火の国・極南パタゴニア
最終章 ウルスラの教え南緯五五度
著者等紹介
野村哲也[ノムラテツヤ]
1974年、岐阜県生まれ。中部大学大学院工学研究科修了。高校時代から山岳風景や野生動物を撮りはじめ“地球の息吹”をテーマに、アラスカ、アンデス、南極などの辺境地に被写体を求める。2007年より南米のチリに移り住み、四季を通してパタゴニアの自然を撮影する。辺境や秘境のツアーガイド、テレビ局やマスコミのアテンドにも携わり、日本国内ではスライドショーなどの講演活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
92
パタゴニアとはアルゼンチンとチリの南緯40度以南の地域。この地に魅せられ2007年から移住した著者による紀行文と何より写真が美しい。ハイネ国立公園でパイネ山群とペオネ湖の夜景、フィッツロイがトレス湖に完璧に映り込んだ鏡面のような写真、ペリト・モレノ氷河の展望台からの眺め、世界最南端の町ウシュアイアからヤーガン族のウルスラに会いに行き、プエルト・ウィリアムスへ戻る途中での夕焼け。自然だけでなくそこで暮らす人々との出会いがあるから、厳しい自然の景色の写真もわれわれを包み込んでくれるような唯一無二のものになる。2021/03/28
KAZOO
92
パタゴニアハブルース・チャトウィンの本のイメージが強く厳しい気候の不毛のような大地のイメージがあり淡色のような感じですがこの写真紀行文を読むとまるで異なった感じです。植物や生き物、景色など素晴らしい感じが出ています。表紙にも掲載されている富士山のような山などを見ていると行きたくなります。2015/09/02
こきよ
50
人類の到達した、最も遠い場所であろうパタゴニアの地。厳しくも美しい原生の大地、数多の固有の動植物、彼の地で暮らす人々。素晴らしい写真で、余すことなく伝えられ、旅に出たくなりました。2014/06/12
ぶんこ
46
南極好きにはウシュアイアは特別な地で憧れていたのですが、ここを含めたチリとアルゼンチンにまたがる南緯40度以南の地域の総称であるパタゴニアは知りませんでした。氷河崩落の後、海面に沈んでいた部分が浮き上がってくるというのも知りませんでした。読みやすい文章を時間を忘れて読んでいるだけでもドキドキしているのに、ページを捲ると雄大で荘厳な写真に圧倒される。18歳から世界各地を旅して、世界でもっとも美しい大地と感じたパタゴニアに32歳で移住。厳しい自然の中、多くの感動を読者に与えてくれています。感謝!2019/02/07
紫羊
40
写真が息を呑む美しさです。その風景の神々しさに心打たれます。作者のパタゴニアへの愛あふれる文章にも好感が持てました。素晴らしい本との出会いに感謝。2018/01/04