内容説明
花の好みに現れるように、日本人には西洋人とは違う感じ方がある。「おもかげ」「なごり」「なつかしさ」など、日本人にとってそのものに「詩」を感じる言葉がある。“世界”が“われ”のなかでどのように響き合うか。それこそが感性であるならば、その多くは文化的な環境のなかで育まれ、個々の文化に固有の感性が生まれるだろう。本書は日本的感性を和歌を素材として考察し、その特性である「ずらし」と「触覚性」を明らかにする。
目次
感性とは何か
1 語彙(われ;世界;世界とわれの結び合い;語彙から文法へ)
2 文法(像のずらしとしての想像力;未来完了の詩学―関係のずらし;反省的批判のまなざし;創出する感性―シュルレアリスティック脱/再構成;感性の惑乱)
結び 日本的感性の構造(バラと桜;注視から残像へ;残像の感性―その広がり;世界との隠喩的交感;われの空間感覚;内省的な意識と記憶;浮遊する原点;ずらしの想像力―解釈学と詩学;日本的感性の構造)
著者等紹介
佐々木健一[ササキケンイチ]
1943(昭和18)年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院人文科学研究科修了。東京大学文学部助手、埼玉大学助教授、東京大学文学部助教授、東京大学大学院人文社会系研究科教授、2004年退官後、日本大学文理学部教授。東京大学名誉教授。美学・フランス思想史専攻。著書『せりふの構造』(筑摩書房、1982年、サントリー学藝賞受賞。講談社学術文庫、1994年)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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KAZOO
あくび虫
Haruka Fukuhara
壱萬弐仟縁
あい