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中公新書
平安朝の父と子―貴族と庶民の家と養育

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  • サイズ 新書判/ページ数 207p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121020444
  • NDC分類 362.1
  • Cコード C1221

内容説明

歴史上、父と子の強い関係が見え始めるのは平安時代初期のことである。『御堂関白記』は、子をたくさん産み育てることを称揚し家の力を拡大させていった藤原道長の姿を、『小右記』は、子どもを寵愛した藤原実資の日常を伝えている。貴族の日記や説話から見えてくる父と子の絆は、現代の子育てを考えるうえでも多くの示唆を与える。「母と子」「女と男」につづき、歴史から現代の家族を考える三部作の完結篇。

目次

序章 父と子の史料を探して(勘当する父;貴族層の父親像と家)
第1章 子どもの成長と父(子どもの誕生;生育儀礼と父親;子育てと教育)
第2章 家の成立過程と父権(家業と子;父権の成立)
終章 家と父権のゆくえ(父への孝養;父権から育児する父親へ;現代の父親論への視座)

著者等紹介

服藤早苗[フクトウサナエ]
1947年(昭和22年)、愛媛県に生まれる。1971年、横浜国立大学教育学部卒業。その後小学校教師を経て、東京教育大学文学部卒業。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。東京都立大学大学院博士課程単位取得。1991年、文学博士(東京都立大学)。第六回「女性史青山なを賞」(東京女子大学女性学研究所)受賞。現在、埼玉学園大学教授。人間学部長。(日本史・女性史・女性学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こぽぞう☆

21
母系から父系へと家族が変わっていく平安時代。官職の世襲制が父系を支えたのか。ジェンダー論に持っていくのは違和感が。2017/05/30

はちめ

11
再読。母と子、女と男に続く平安朝シリーズ第三作ではあるが、著者が女性に関する家族史の専門家でもあるので印象が弱い。子育てする父親の姿など興味深いものもあるが、後半の父権に関する考察などは中途半端感を否めない。☆☆☆★2022/04/30

印度 洋一郎

7
「母と子」「女と男」に続く、平安朝家庭像三部作の完結編。奈良時代は影の薄い「父」が平安時代、特に摂関時代になって、「家」の成立と共に職能や地位、そして財産を継承していくために、その存在が大きくなっていく過程を貴族の日記や文献(大鏡や今昔物語)から紐解く。父との関係で、子供達の暮らしぶりが、既刊に比べてクローズアップされているのも特徴。公家の子供達は十代前半で宮中にデビューし、儀式の雑用をしたり、女装して踊ったりしていたらしい。菅原道真が、左遷された大宰府で亡くした幼い子を偲んだ漢詩も悲しかった。2013/11/13

遊未

5
平安朝、遠い昔でも思ったより父が子を可愛がっていた様子が暖かく感じられます。子育ては親の思うようにはいきませんが、何より生存率が低いので、心配が堪えなかったことでしょう。2018/05/16

真理そら

4
同じ著者の『~母と子』を読んでいたので、引き続き読んでみた。すべての事柄はジェンダー論に通ず的な面は著者の専門分野を考えれば予想できることなのであまり気にならなかった。以前はそういうことが鼻につく気がしていたがトシのせいかそういうことも含めて一つの考え方として楽しめるようになった、うれしいようなさびしいような。ただ時系列的にもう少し整理してもらうと嬉しかったかも。2017/12/01

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