出版社内容情報
ペスト、コレラなどの猛威の実態と帝国日本をモデルに対応を試みる「東亜病夫」中国の苦悩。
内容説明
一九世紀末、列強に領土を蚕食されるなか、中国では劣悪な栄養・衛生状態、海外との交流拡大によって、感染症が猛威を振るう。雲南の地方病であったペストは、香港や満洲に拡大し、世界中に広がることになる。中国は公衆衛生の確立を迫られ、モデルを帝国日本に求める。本書は、ペスト、コレラ、マラリアなどの感染症被害の実態、その対応に追われる「東亜病夫」と称された中国の苦悩とその克服に挑む姿を描く。
目次
第1章 ペストの衝撃(ペストのグローバル化―雲南・香港から世界へ;感染症の政治化―列強の思惑と国際ペスト会議)
第2章 近代中国と帝国日本モデル(公衆衛生の日本モデル―植民地台湾と租借地関東州;中華民国と「公衆衛生」)
第3章 コレラ・マラリア・日本住血吸虫病(コレラ―一九世紀の感染症;台湾のマラリア―開発原病)
終章 中国社会と感染症
著者等紹介
飯島渉[イイジマワタル]
1960(昭和35)年埼玉県生まれ。88年東京学芸大学大学院修士課程修了。92年東京大学大学院博士課程単位取得退学、同年より大阪市立大学文学部助手。93年より横浜国立大学経済学部助教授、教授。2000年文学博士(東京大学)。2004年より青山学院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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