中公新書
書く―言葉・文字・書

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  • サイズ 新書判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121020208
  • NDC分類 728.04
  • Cコード C1270

出版社内容情報

書は絵画なのか文学なのか。漢字、片仮名、平仮名、アルファベットの違いは? 筆蝕をキーワードに考察する書論・文化論。

内容説明

筆先が紙に触れ、書ができていく。そこに書かれているのは、言葉であり、文字である。文字は単に点と線からなる図形ではなく、筆と紙の接点に生じる力―筆蝕―のダイナミックな現れなのだ。書は、できあがったかたちではなく、その過程を鑑賞する芸術ともいえる。一点、一画が部首を生み出し、文字をつくり、文へと展開する文学なのである。言葉と文字と書の関係を追究し、書の底知れない深みに迫るスリリングな書論・文化論。

目次

「書」はどう見ればよいか
「書」とは書くことである
「筆蝕」が生み出すもの
「筆」とは何をするものか
「触」の意味するもの
「蝕」の可能性
「触」と「蝕」はどうつながっているのか
点画の根源と拡がり
点画はこう結合している
「部首」の形と意味
「文字」から「文学」へ
書は文学である

著者等紹介

石川九楊[イシカワキュウヨウ]
1945年、福井県に生まれる。京都大学法学部卒業。書家。現在、京都精華大学教授。著書『書の終焉―近代書史論』(同朋社出版、サントリー学芸賞受賞)、『日本書史』(名古屋大学出版会、毎日出版文化賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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jima

14
抽象的な表現で、わかりにくい部分もあったが、なるほど。2021/12/07

miyuki

4
書の本質について書かれた本。篆書、隷書、楷書とは何か、点画、筆順、部首の存在意義、また、技法についてまで、その書のスタイルが出来た時代との関わりから、明瞭に説明する。西洋を相対化した、東アジアに発端する書というものの本質がこれ一冊で掴めるような気がする。その本質は微粒子的律動に尽きる。この目にも見えず、つかみどころのないものを的確に説明している。説明のための最低限の図版も付されており、西洋文明的発想におかされた一般的な現代人なら十分に目を開かされる本。2020/03/17

mutou_tsusato

2
図書館で借りて読む。「筆蝕の芸術」は印象に残ったが、それが実際どういうことなのかは、正直よくわからない。書道に限らず、「作る人の側が思っていること」と「作品」と「見る側の人が感じること」のズレのようなものについて考えてしまった。本書を読んだところ、書を「見る」ことは実は問題外のこととも感じたが。2011/11/28

bittersweet symphony

1
ミクロ構造主義的書論。実作家ならではの視点と実作家らしからぬ視点が混在しているのが石川九楊たるゆえんと言えます。書は絵画ではないと主張する当の本人の近作の破壊的なまでに絵画的なのはご愛嬌。2018/03/15

和沙

1
パソコン・書道ブーム・パフォーマンス書道への嘆きなどに、新時代を否定する思想が見られる。私などは「この人、頭固いなぁ」と思ってしまう。だが、遊びのような書道に甘んじ、またむやみにそれを絶賛する人々には警鐘となるかもしれない。2010/01/12

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