中公新書<br> 日本人の生命観―神、恋、倫理

電子版価格
¥858
  • 電書あり

中公新書
日本人の生命観―神、恋、倫理

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 252p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019790
  • NDC分類 114.3
  • Cコード C1210

出版社内容情報

家族の生命を抹殺し、無差別殺人が相次ぐ一方、体外受精、万能細胞など生命科学が著しい進歩を遂げる現在、生命をどう考えるか。

内容説明

「神からの授かりもの」「輪廻転生」「物質の集まり」―生命の見方は多様だ。日本人は生命をどのように捉えてきたのか。本書は、宗教、哲学、文学、自然科学と多彩な分野からこの疑問にアプローチする。神々が身近だった記紀万葉の昔から、生命科学が著しい発展を遂げた現代まで、生命観の形成と変遷をそれぞれの時代相とともに描きだす。日本に脈々と流れる「生命本位の思想」の可能性と危険性も浮かび上がってくる。

目次

第1章 民族の遠い記憶―風土記、記紀、万葉
第2章 浄土と恋と土地―中古から中世へ
第3章 いのちの自由と平等―近世の多様な生命観
第4章 天賦人権論と進化論受容―生命観の近代化
第5章 宇宙大生命―大正生命主義とその展開
第6章 いのちの尊厳とは?―戦後の生命観

著者等紹介

鈴木貞美[スズキサダミ]
1947年(昭和22年)、山口県に生まれる。東京大学文学部仏文科卒業。創作、文芸評論、編集に従事後、東洋大学文学部国文科助教授を経て、国際日本文化研究センター助教授。現在、大学共同利用機関法人人間文化研究機構・国際日本文化研究センター教授、総合研究大学院大学文化科学研究科教授。学術博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

9
今年の通訳案内士1次試験英語の素材は、日本人の根源が問われるものであった。鈴木孝夫先生の英文で西洋人と違う食事の作法。それに、進物のありようなど。命の語源は、定める、決める(23頁)。無常観。現世で戒めないと地獄に落ち、生まれ変わったら卵生のケースもあるという六道四生も(49頁)。明治期、温和な遺風を守ってきた農山村地域が国民国家に統合されることを激しく拒んだ(111頁)。市町村合併に与したのと真逆。団塊世代の考察がないので書くと、戦争で亡くなった人が多く、平和を享受するのが生命誕生以外なかったのだろう。2013/08/30

ハチアカデミー

5
C 『古事記』や『風土記』から、『苦海浄土』や押井守まで、日本という国において、「生命」という概念がどのように考えられてきたのかを論じる。概念史という視点から日本人の価値観を読み解いていく方法が面白い。個人的な関心は近現代にあったので、自然主義小説を同時代の国内外哲学との関連から解き明かす辺りが非常に参考になった。頭の文献を逍遙し、丁寧に書き連ねている印象。もちろん、新書の分量で古代から現代までをしっかり論じきる事はできないので、駆け足の印象は否めない… 詳しくは『生命観の探究』を要参照か。2012/04/12

むつの花

2
記紀万葉から生命科学の発達した現代に至るまでの日本人の生命観を、宗教•哲学•文学•自然科学といった多様な分野からアプローチして、1冊の新書にまとめたという点はすごい。また、読んでいて面白いところも多々あった。しかしやはり全体的に大まかな記載にとどまっているように思った。(著者の研究内容である大正生命主義については、本書中で比較的詳しく書いてある)本書のベースとなっている(と著者自身があとがきで述べている)同著者による『生命観の探求ー重層する危機のなかで』を読めば本書の理解が深まるかもしれない。2014/09/18

nori

2
う~ん。ずいぶん広い分野の生命観を述べている。歴史、文化、科学、宗教、思想ちょっと広すぎて読むのが続かなかった。2012/11/30

Go Extreme

1
民族の遠い記憶-風土記、記紀、万葉: 神々の血統 生と命 恋は命がけ 浄土と恋と土地-中古から中世へ: 土と恋と土地 恋と罪—王朝文芸の世界 一所懸命 いのちの自由と平等-近世の多様な生命観: 儒学のさまざま 町人の自由・平等 国学の展開と蒜末の思想 天賦人権論と進化論受容-生命観の近代化: 進化論受容 修養の季節 宇宙大生命-大正生命主義とその展開: 生命力の解放 宇宙大生命 生命の表現 民族の生命 いのちの尊厳とは?-戦後の生命観: 死の季節をくぐりぬけて 生命主義、ふたたび 問われる生命観2022/01/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/500515
  • ご注意事項