中公新書
洋行の時代―岩倉使節団から横光利一まで

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  • サイズ 新書判/ページ数 220p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019684
  • NDC分類 290.9
  • Cコード C1221

出版社内容情報

幕末の開国期から戦前期までの約100年の間に、日本から外国への学びの旅がどのように変化したのかを、文化人の事例でたどる。

内容説明

徳川幕府の方針が鎖国から開国に変わり、修好通商条約の批准書交換の使節団が太平洋を渡って以来、命がけの洋行が行なわれるようになる。初めは、国づくりの重点課題を学ぶための公費による渡洋ばかりだったが、徐々に目的が多様化し、私費による遊学、あるいは旅行や放浪も増えていった。本書は、約一〇〇年の間に、日本から外国への学びの旅が、どのように変化していったのかを、文化人の事例を中心に辿るものである。

目次

序章 洋行前夜
第1章 文明開花の時代
第2章 『舞姫』と『倫敦塔』―鴎外、漱石の留学体験
第3章 旅する芸人たち
第4章 世紀末デカダンスと遊学する青年たち
第5章 さまざまな外遊
第6章 洋行の終わり―横光利一『旅愁』
終章 洋行から海外生活へ

著者等紹介

大久保喬樹[オオクボタカキ]
1946年(昭和21年)生まれ。横浜に育つ。東京大学教養学部フランス科卒業。パリ第三大学および高等師範学校に留学。東京大学大学院比較文学修士課程中退。東京工業大学助手、東京女子大学助教授を経て、同大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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きさらぎ

3
岩倉使節団から横光利一まで。洋行前史として幕末の遣欧使節などにも触れる。著者が仏文科で近代比較文学者(多分)という事で幕末・岩倉使節団辺りの分析は少々粗いと感じる。ただ森有礼の分析は興味深い。津田梅子、西園寺辺りから面白くなってくる。そして読み所はやはり鴎外、漱石、荷風、有島、高村、与謝野晶子辺りの文学者と、貞奴や花子とロダンら明治中期以降。鴎外と漱石の感じ方の違いなどはよく目にするが、更に荷風や高村らの感じ方と比較することで優れた世代論、文化論になっている印象。改めて彼らの作品に当たってみたいと思った。2018/12/30

おらひらお

3
2008年初版。本書はヨーロッパに範を求めた時代の日本の一側面を切り取ったものです。洋行も時代によって様変わりすることが指摘されています。2012/11/19

志村真幸

1
 著者は日欧交渉史の研究者。  本書は、幕末から第二次大戦の直前の時期までに洋行したひとびとをとりあげ、あちらでの体験のあらましと、それが与えた影響について紹介したもの。  福沢諭吉、津田梅子、西園寺公望、川上音二郎、永井荷風、有島武郎、与謝野晶子、島崎藤村、金子光晴、バロン薩摩、横光利一などかなりの人数が扱われている。  個人の体験とともに、時代ごとの特徴なり変遷なりに焦点があてられており、日本近代にとっての欧米世界の位置づけがよくわかる。 2020/04/09

雪町

0
開国〜昭和初期に欧米に渡航した文化人の体験をまとめた本。官費留学、興行、旅行など、公から個人的なものへと変わっていった過程を追う。目的やカルチャーショックの感じ方が興味深かった。2014/10/29

0
ほぼ同時代に官費でヨーロッパに留学した森鴎外と夏目漱石。前者はリア充で海外生活を満喫したのに対し、後者はせっかく留学したのにヒッキーになり挙句ノイローゼ…共に明治の文豪の二大巨頭なのにこの差はすごいwあと、この本読むまで薩摩治郎八が私が子どもの頃まで生きていたって知らなかったからビックリした。2013/05/20

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