出版社内容情報
ランブイエ侯爵夫人のサロンに、言葉に異常な関心を示す若い貴族が現れる。フランス人の言葉への意識を通して、表現の技術を考える
内容説明
「会話の技術」を身につけるには訓練が必要だ。一七世紀前半期のパリに、話す技術を磨くための場所ができた。「サロン」である。言葉に異常な関心を示す若い貴族が、ランブイエ侯爵夫人の有名なサロンに現れる。その名はヴォージュラ。サロンの言葉づかいを克明にメモし、その後のフランス語の洗練に絶大な影響を及ぼす「文法」を著すことになる。フランス人のもつ言語表現への関心を通して、表現の技術を考えてみよう。
目次
第1章 青い部屋―ランブイエ侯爵夫人のサロン(大世紀の幕開け;ランブイエの館;ローマからパリへ;サロンと会話)
第2章 ヴォージュラ登場(ヴォージュラという名前;フランソワ・ド・サル;サヴォワという国;ヴォージュラと外国語;修業の季節)
第3章 カトリーヌとクロード(「ランブイエの館」とヴォージュラ;王弟ガストン;アカデミー・フランセーズ;貧乏な文法家)
第4章 『フランス語に関する注意書き』(紳士の文法;『注意書き』の特色;『注意書き』以後)
終章 サロン、会話、文法(会話の好きなフランス人;「大作家」の例;明晰な言葉づかい)
著者等紹介
井村順一[イムラジュンイチ]
1933年(昭和8年)、東京に生まれる。1956年、東京大学文学部仏語仏文学科卒業。1962年、東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学専攻博士課程満期退学。立教大学、東京大学、獨協大学に勤務。現在、東京大学名誉教授、獨協大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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