中公新書
サンゴとサンゴ礁のはなし―南の海のふしぎな生態系

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  • サイズ 新書判/ページ数 273p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019530
  • NDC分類 483.3
  • Cコード C1245

出版社内容情報

たくさんの生き物たちが生きる、南の海のふしぎな生態系--サンゴの森。多様性と共生をキーワードに海のオアシスの秘密に迫る。

内容説明

多くの生物がそこに住み、互いに助け合って生きるサンゴの森。エビ、ウニ、ナマコなど、さまざまな種類の生物が密接な協力関係のもとに暮らしている。しかし多様性と共生がキー・ワードであったサンゴ礁が、危機に瀕している。地球温暖化によって海水温が上昇し、共生を保てなくなったサンゴが死滅しつつあるのだ。本書は、生物たちの絶妙な関係を紹介し、海を守るサンゴ礁のこれからを考える「自然の教室」である。

目次

1 教えて!サンゴ礁(サンゴに関するQ&A;サンゴ礁に関するQ&A)
2 もっと!サンゴ礁(褐虫藻との共生;褐虫藻をもつさまざまな生物;サンゴの進化;サンゴを棲家とする動物たち;魚たちの共生;危機のサンゴ礁;サンゴ礁の保全)

著者等紹介

本川達雄[モトカワタツオ]
1948年(昭和23年)、仙台に生まれる。1971年、東京大学理学部生物学科(動物学)卒業。東京大学助手、琉球大学助教授を経て、東京工業大学大学院生命理工学研究科教授。理学博士。専攻、動物生理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

40
【沖縄32】沖縄と言えば、サンゴ礁を外すわけにはいくまい。著者は「ゾウの時間・・」など多くの生物学的文明論を出し人気だが、本書はサンゴとサンゴ礁の生物学的な基礎からきっちりと教えてくれ、サンゴ礁の危機と保全まで及ぶ。山や森が好きだけど、海や海の生物には無縁だった私を沖縄のサンゴ礁に誘ってくれる。生物学的には、まさに自然の驚異としかいいようがない。動物のサンゴ(刺胞動物門)は単細胞植物の褐虫藻と共生している。その周りには、貝や海老や魚がやはり共利共生している。沖縄の海の熱帯雨林に匹敵する生物多様性、↓2021/11/30

Phycology

4
サンゴ・褐虫藻・その他の生物による共生の話がすごく興味深く伝えられている本。著者に脱帽です。サンゴも海もほんとに奥が深い。2010/06/05

トムトム

3
水が透明ということは、漂う有機物(栄養)が少ないから。私たちが綺麗だと思う透明な水は、生物の少ない貧栄養の水。サンゴ礁は、サンゴと共生する褐虫藻の光合成をもとにしてなりたつ生態系。勉強になった!2019/08/30

orangepelican

3
サンゴに関する入門編・・、いや、入門と言うには十分すぎる内容かな。サンゴとそれを取り巻く生き物たちの振る舞いについて、入門と言いつつも詳しく分かり易く書かれており、知的好奇心を充足する、大変読み応えのある本でした。特に、サンゴ礁にすむ魚の模様の話。いつも疑問に思っていた話題だっただけに、本当に面白かった。また、サンゴの生態の解説にとどまらず、サンゴ礁の保全や、生物多様性をなぜ守らなければならないのか、という話まで、説得力のある文章で書かれていたのが素晴らしかった。2014/05/28

ふさたろう

2
生物多様性とはどういうことか、実にわかりやすい言葉で説明してあります。純粋にサンゴの海に生きているものの振る舞いの面白さ、関係の不思議さにスポットを当てながら、著者の哲学がすうっと胸に入ってきます。この世界は実に複雑でなぞに満ちていて美しい。わたしたちの営みはこの複雑な世界にどれほど深刻な影響をあたえてしまうのか。ひとりひとりが自らの暮らし方を見つめ直す時が来ている。そんな気がしました。2010/09/10

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