中公新書<br> 江戸城―本丸御殿と幕府政治

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中公新書
江戸城―本丸御殿と幕府政治

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  • サイズ 新書判/ページ数 241p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019455
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C1221

出版社内容情報

本丸御殿の構造を、豊富な図版を使って詳述。そこで繰り広げられた、300年に及ぶ統治を支えた幕政と権力機構のしくみをひもとく

内容説明

松之廊下にはどのような役割があったのか?老中の登城から退出までを追ってみると?「奥」の側用人が「表」の老中より権力をふるえたしくみとは?大名統制において殿中儀礼が持った意味とは?大奥女中にはどのような仕事があったのか?江戸城における政務は、本丸御殿の構造と密接に関係している。部屋の配置とその役割を詳しく紹介し、「表」「裏」「大奥」それぞれで展開した幕府政治のしくみを読み解く。

目次

序 江戸城の構成と本丸御殿への登城
1 儀式・政治空間「表」(将軍との関係を表徴する殿中儀礼;表の構造にみる政治の仕組み)
2 将軍の執務・生活空間「奥」(奥の構造にみる将軍の生活;「奥政治」の展開)
3 女性たちの生活空間「大奥」(大奥の構造と将軍の寝室・御台所の生活空間;大奥女中の生活と広敷役人)
むすびにかえて―将軍の外出・外泊にみる江戸城御殿の構造

著者等紹介

深井雅海[フカイマサウミ]
1948年、広島県生まれ。1971年、国学院大学文学部卒業。博士(歴史学)。現在、国学院大学栃木短期大学教授。財団法人徳川黎明会徳川林政史研究所副所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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だまし売りNo

46
「国持大名は幕府役職の就任から排除されていあっため、自分自身の序列を上げるには官位昇進しか途がなかった」(52頁)。官位昇進のために賄賂が贈られるほどであった。江戸幕府は大身の大名は幕政に参加させなかった。この仕組みは優れたものとの評価されるが、官位昇進に熱を上げるという弊害があった。官位を意識するということは朝廷を意識することになる。尊王思想を醸成することになる。尊王を掲げる勢力によって幕府が倒されたという結果を踏まえれば官位による序列化は危険がある。 2023/11/13

紙狸

20
2008年刊行。江戸城という空間の分析を通して、権力を巡る人間関係を描いたと言えるだろう。徳川家康はいくさに勝ち抜いて幕府を開いたが、いくさがなくなったあとの幕府というのは、なんと煩雑な序列で構成されていたのか。寺社奉行・大岡忠相の日記によると、職務に関して将軍吉宗と謁見したのは7年間で14回に過ぎないという。正式なヒエラルヒーの中では将軍に会うのが大変なことだったのだな。2022/01/15

MUNEKAZ

15
江戸城本丸御殿を「表」「奥」「大奥」に分けて解説した一冊。図版や資料が多数引用されており、将軍権威と大名たちの序列が計算された「表」の空間設計や、将軍の生活の場であり、同時に側近政治の現場でもある「奥」の生々しさがよくわかるようになっている。ドラマなどでは省略されているが、将軍や御台所にはどれだけお付きの人物がいたか、またその手当はどれだけだったのかなど、細かい部分までわかるのが面白い。読み物としては少々趣きに欠けるが、時代劇や時代小説のお供にすれば、時代背景や制度への理解が深まるだろうと思う。2021/11/12

mahiro

8
江戸城本丸御殿の詳しい見取り図と解説、登城する大名達の身分により分けられた拝謁場所などの細々とした決まり、老中や側用人などが御殿内のどの場所でどのようにして政の協議や将軍への意見具申をしていたのか、更には将軍の身の回りに仕える者達の人数や大奥で夫人や生母に当てられた召使いの人数や分類や報酬など詳しく書かれていて実に面白かった。江戸城関係の本は他にも読んでいるが本書はその中でも内容が濃い方だ、畳一枚座る位置の違いで序列がわかるその形式も平和な時代の秩序の保ち方なのだろう、時代小説を読むとき役に立つと思う。2017/03/28

OjohmbonX

5
江戸城本丸御殿のレイアウトと徳川幕府の政治システムをリンクさせて丁寧に解説する本。玄関から向かって表→奥→大奥と公→私の階層分けがされてて、例えば表の中も黒書院→白書院→大広間と玄関に近いほど公的なレベルが高い。一番面白かったのは、最初から有力大名を幕政から疎外(役職に就けなく)して官位だけ与えておいて、しかも官位を毎年の行事の席次と結びつけて他人との上下を意識させお互い競争させて、昇進のために金(工事費や賄賂)を出させて弱らせる仕組み。後は皇家公家コントロールのシステムのこれくらい手軽な解説書ほしいな。2014/05/24

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