中公新書<br> アメリカの世界戦略―戦争はどう利用されるのか

中公新書
アメリカの世界戦略―戦争はどう利用されるのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121019370
  • NDC分類 319.53
  • Cコード C1222

内容説明

二〇〇三年三月、ブッシュ政権は対イラク戦争に踏み切った。世界の平和と安全を説く国がなぜ先制攻撃を仕掛けるのか。そこには、冷戦終結後、EUと中国の挑戦を受けるなか、圧倒的な経済力と軍事力をもとに世界一極支配を目指すアメリカの戦略がある。本書では朝鮮戦争からヴェトナム戦争、そして「ブッシュの戦争」に至るアメリカ式戦争の特徴と問題点を、政策決定者たちの証言を交えて分析し、「帝国」の今後を展望する。

目次

第1部 世界戦略のなかのアジア(朝鮮戦争からヴェトナム戦争へ;冷戦後のアジア戦略;ブッシュ(ジュニア)政権の対テロ戦争)
第2部 対ヨーロッパ関係―協調と対立と(冷戦期の米欧関係;冷戦の終焉とEUの挑戦;クリントンの戦争とアメリカ外交の軍事化)
第3部 9・11と対イラク戦争(「新世界秩序」建設の夢;世界一極支配のシナリオ;対イラク攻撃計画の作成;イラク戦争の開始とEU中核諸国の反応)
第4部 帝国化するアメリカ(9・11とアメリカの帝国化;アメリカ外交の伝統と戦争)

著者等紹介

菅英輝[カンヒデキ]
1942年(昭和17年)、熊本県玉名市に生まれる。オレゴン大学政治学科卒業、ポートランド大学大学院政治学修士課程修了、コネチカット大学大学院博士課程修了。法学博士(一橋大学)。北九州大学外国語学部助教授、同教授を経て、九州大学大学院比較社会文化研究院教授。現在、西南女学院大学教授。専攻、アメリカ政治外交論、国際関係論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

無重力蜜柑

10
良著。ポスト冷戦期のアメリカの軍事、外交戦略(ブッシュsr、クリントン、ブッシュjr)について、冷戦時代からの連続と断絶に着目しながらまとめた本。冷戦期ではアジア方面での日米安保及び対中国・北朝鮮戦略、ヨーロッパ方面でのNATOの変遷の話が中心で、ポスト冷戦期には中東戦略の話もあった。NATOがドイツの三度の軍事大国化を防ぐ枷であると同時にアメリカの対欧州ヘゲモニーを維持する装置だとか、コソヴォ空爆やイラク戦争はある意味ヨーロッパに対するアメリカの軍事覇権を確立する戦争だったのだという見方が面白い。2022/05/02

おらひらお

5
2008年初版。大戦後から現代までのアメリカの世界戦略を概観したものです。冷戦後は基本的にアメリカは自国に対抗できる勢力を育てない方向で進んでいるとのこと。とりあえず日本対策は万全ですね。本書を通じて、日本の非武装中立や日本が侵略されたときに在日米軍が主体となって戦うなどということは全く成立しないことを再確認できました。世界規模の政治は冷徹なものですね。2012/04/22

かじやん0514

3
このテーマの中ではコンパクトかつ、一番まとまっていて要点を押さえている本だと思う。2018/07/16

keepfine

2
朝鮮戦争、ベトナム戦争、冷戦、イラク戦争、そして「対テロ戦争」に至るまで、アメリカの政治家たちがいかに戦争を利用することを通じて「帝国」としてのヘゲモニーを構築してきたかを論じている。手際よく整理されていた教科書的な一冊。2015/04/24

ろーじゃ

2
戦後のアメリカの外交の概説書です。自由と民主主義の理念を他国に広める事は、アメリカにとって最大の安全保障であるという戦略は抑えておくポイントだと思いました。(国内秩序と国外秩序は不可分である。) もちろん資源などの純粋な国益で動く場合もあるので、上記の理念が恣意的に使われた場合は'アメリカ帝国主義'とみなされるのが弱点ですが。新書らしく入門用に首尾よくまとまっています。2013/01/07

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