中公新書
現代中国の産業―勃興する中国企業の強さと脆さ

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  • サイズ 新書判/ページ数 266p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121018977
  • NDC分類 509.222
  • Cコード C1233

出版社内容情報

あらゆる産業で地場企業が台頭、世界を席巻しつつある中国企業。家電・自動車産業などから強さと弱点を示し日本企業の活路を探る

内容説明

繊維、鉄鋼、電子製品で世界最大の生産を誇り、自動車など日本が得意とする分野でもトップの地位をうかがう中国。あらゆる産業で地場企業が台頭し、聯想、TCLなど外国企業を買収する企業も増えてきた。本書では、中国企業の特徴が最もよく現れた家電、IT、自動車という三つの産業から、その強さと弱点を明らかにする。また、中国の産業が拡大するなかで日本企業がどこに活路を見出すべきかを探る。中国企業一覧付き。

目次

プロローグ 低迷する日本ブランド
第1章 垂直分裂と互換性―家電産業
第2章 脇道のイノベーション―ビデオCDとPHS
第3章 製品開発と流通構造―携帯電話機
第4章 同質化の行き着く果て―パソコン産業
第5章 オープンな垂直分裂―自動車産業
エピローグ 中国企業の将来、日本企業の可能性

著者等紹介

丸川知雄[マルカワトモオ]
1964年東京都生まれ。87年東京大学経済学部卒業。同年アジア経済研究所入所(91~93年中国社会科学院工業経済研究所客員研究員)。2001年4月より東京大学社会科学研究所助教授、07年4月より同教授(中国経済)。著書『シリーズ現代中国経済(3)労働市場の地殻変動』(名古屋大学出版会、2002年、第19回大平正芳記念賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Hatann

6
2007年上梓。90年代後半から00年代前半の中国産業の特色を検証する。日本では原材料から最終製品に至るまで垂直統合により囲い込みが図られるが、中国では各段階にて分業する垂直分裂が特色である。中国の最終製品業者は技術開発の時間・費用を抑えて商品企画・販売に集中することで廉価な商品を提供できるが、他社との技術面の同質化を回避できずに過度の価格競争に晒される。10年経過した現在も垂直分裂の傾向は変わらず、中国のイノベーションを支える背景であるとともに、ジェットコースターのような栄枯必衰の原因にもなっている。2018/12/18

中島直人

1
垂直分裂というキーワードに目からウロコ。何かいかがわしいもののように捉えがちな中国の産業構造について、日本企業も学ぶべき積極的な面があったとは。四年前の本だが、著者の慧眼がますます顕著になってきているのではないか。2011/09/27

きゃす

0
同じことを何度も繰り返し述べられていた。読めば読むほど次の展開がよめて、つまらなかった。最初はなるほど〜って思ってたけど。2014/02/28

日の光と暁の藍

0
垂直分裂というキーワードで、著者は中国の産業の特徴を表現する。日本の企業は何でも自社でやりたがるが、垂直分裂という特徴を持つ中国企業は、一つ一つの工程を別の企業が分担して製品を作り上げる。調達先を複数化することで価格競争力を保とうとするのだ。日系企業は、価格競争力のある中国製品に価格で太刀打ち出来ない。製品差別化を追求する日本企業と製品が同質化することを引き受けてまで価格競争力を追求する中国企業。自動車のエンジンさえ他社から調達する中国企業は、日本企業と全く異なるロジックで動いていることがよく分かった。2014/02/28

まふ

0
中国の産業構造を見事に抉った快著。基本は藤本教授一派のアーキテクチャ論に則りながら、新宅先生も説明してくれなかった中国の垂直分裂について詳しく述べている。中国が社会主義国家であったことから生じた部品とアセンブリーとの分離を今では逆手にとって、欧、米、日で実現しなかった垂直分裂構造の世界企業実現にまでこぎつけたということである。この構造は日本の中小企業にも応用できるといっている。この視点はたいそう面白い。桜美林の講義にも使えそうだ。2007/06/27

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