中公新書<br> 証言の心理学―記憶を信じる、記憶を疑う

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中公新書
証言の心理学―記憶を信じる、記憶を疑う

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  • サイズ 新書判/ページ数 202p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121018472
  • NDC分類 327.014
  • Cコード C1211

出版社内容情報

人はなぜ嘘をつこうとしていないのに、体験していない出来事を見たり聞いたりしたと証言してしまうのか。心理学の最前線をわかりやすく語る。

内容説明

人は嘘をつこうとしていないのに、体験していない出来事を見たり聞いたりしたと証言してしまうことがある。証言の聴き手が、それと気づかないうちに虚偽の証言や自白を生み出す手助けをしてしまうこともある。人間の記憶は脆く、他者の記憶とのネットワークによって成立している。これを法廷という非日常の「現場」に生かすことは果たしてできるのか。興味深い実例を交え、心理学研究の最前線をわかりやすく説明する。

目次

プロローグ 三つのキーワード
第1章 記憶の脆さ
第2章 ネットワークする記憶
第3章 正解のない世界
第4章 ギリギリの挑戦―目撃証言への実験心理学アプローチ
第5章 内側からの眺め―浜田寿美男の「供述分析」アプローチ
第6章 コミュニケーションの亀裂―スキーマ・アプローチ
エピローグ 記憶のリアリティ

著者等紹介

高木光太郎[タカギコウタロウ]
1965年(昭和40年)東京都生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。東京大学大学院教育学研究科助手、東京学芸大学海外子女教育センター講師、助教授を経て、東京学芸大学国際教育センター助教授。発達心理学、認知心理学、法心理学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かるかん

18
『証言の表現からはカアクされ、見えなくなっているこうした歪みの構図を解明すること。これが証言の心理学の基本的な課題となる。』普段から記憶を疑うことは無いが、この証言の世界は非日常的な記憶への猜疑が前提となる。自分にとっては一瞬で、無意識な出来事の細部まで思い出さなければならない。そのとき記憶はどうなるのか。2014/09/18

かず

16
★★★★★非常に興味深く読ませていただきました記憶の「脆さ」、裁判において心理学的実験データは効力を持つのか…今まで考えたこともないことばかりで、とても勉強になりました。2016/07/11

たりらりらん

9
記憶を「ゆらぐ記憶」「ネットワークする記憶」「正解のない記憶」という観点から、考察していく。著者の心理学をどのように法廷で活かしていくかという体験や考察も非常に興味深かったです。足利事件の自白の信憑性を巡るアプローチは、浜田アプローチ(浜田寿美男「自白の心理学」)とも異なるものを採用したという。2006年に出版された本なので、菅谷さんの名前がSと表記されています…いろいろ考えさせられる本でした…2010/11/08

小早川

5
アンビリバボーにて恐らく出たもの。 僅かな言葉で容易に変質していくのは私生活においても多々感じる。読了2020/04/08

羊の国のひつじ

5
記憶に対する自信とそれが事実かどうかは比例しない。そこまで人間の記憶は曖昧なものなのかと驚かされた。さまざまな実験の中で事実と全く異なった証言をする人がいることは、怖い。「証言の心理学は、つまり、過去を語ることではなく、過去の語り難さをめぐる科学なのである。」最後にあったこの言葉が頭を離れないな、なんだか。足利事件に関する容疑者の言動の考察もとても興味深かった。2014/10/13

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