出版社内容情報
驚異的な経済成長はこのまま続くか。反日はなぜ激化するのか。巨大な隣国の真実に迫るルポルタージュ。
内容説明
驚異的な経済成長はこのまま続くか。反日の炎はなぜ燃えさかるのか。一党独裁と民主化、そして対米関係の行方は―。巨大な隣国は捉えどころがなく、真の姿は容易に見えない。北京五輪と上海万博を間近に控える中国で、いま何が起きているのか。名もない労働者から、新興富豪や政府要人まで、集められた生の声の向こうに、答えは浮かび上がる。中国国内のみならず周辺の国と地域、米国をもカバーした最新のルポルタージュ。
目次
第1章 新ナショナリズム(「反日デモ」の真相;インターネット管理 ほか)
第2章 揺らぐ社会主義(赤い富豪;住宅バブル ほか)
第3章 市場経済の虚実(人民元切り上げ;エネルギー争奪戦 ほか)
第4章 きしむ周辺世界(フィリピンの覚醒剤工場;極東ロシアの「国境の島」 ほか)
第5章 米国との攻防(加速する軍拡;スパイ暗躍 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
25
国内で広がる経済格差、世界中に触手を伸ばす経済戦略。この国の矛盾は、いつまで維持できるのか。強引なやり方に、綻びを感じ始めざるを得ない。2014/07/04
つっちー
0
正直な感想としては、当たり前のことを当たり前のように述べただけの文章。もう少し著者側の意見を明確にしてくれた方が私個人としては面白いと思う。2013/11/21
_udoppi_
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大学の講義の参考書として。市場原理による経済成長と言えば聞こえはいいが、一党独裁の政治体制においては党や地方政府との関係が成功のほとんどの鍵を握っており、その姿は明治大正期の財閥の独占的成長を想起させる。トリクルダウンによってニューリッチ層がある程度満足した今民主化への運動圧は低く、ただ貧困層だけが割を食っている。2011/12/10
まふ
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中国の最新情報である。経済成長が社会主義市場体制の中で達成されつつあることの不思議さと危うさが、取り巻く国々を不安に駆られさせる。共産党は人民の経済的平等を捨て、私有財産制度を認めた。いったいどこに「社会主義」といえる証拠が残っているのだろうか。既成の概念では理解不能な仕組みが今壮大な実験として行われている、と見たほうがよさそうだ。2006/08/29