中公新書
社会の喪失―現代日本をめぐる対話

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  • サイズ 新書判/ページ数 241p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121018144
  • NDC分類 778.7
  • Cコード C1236

出版社内容情報

高度成長、バブル経済を経るなかで、日本は貧困を駆逐し、「豊かな社会」を実現したかに見える。しかし一方で、さまざまな不安が日常を侵食し、〈成功〉という病が人々疲弊させるようになっている。
本書は、現代日本のいくつかの断面を手がかりに、時代や社会のあり様について、根底から考え抜こうとした対話である。戦争をどう考えるか。いま私たちの社会から何が失われつつあるのか。危機のありかとその根深さを探る。

内容説明

高度成長、バブル経済を経るなかで、日本は貧困を駆逐し、「豊かな社会」を実現したかに見える。しかし一方で、さまざまな不安が日常を侵食し、“成功”という病が人々疲弊させるようになっている。本書は、現代日本のいくつかの断面を手がかりに、時代や社会のあり様について、根底から考え抜こうとした対話である。戦争をどう考えるか。いま私たちの社会から何が失われつつあるのか。危機のありかとその根深さを探る。

目次

1 戦争について
2 歴史について
3 解放について
4 自由について
5 世界について
6 言語について
7 社会について―あるいは境界線をめぐって

著者等紹介

市村弘正[イチムラヒロマサ]
法政大学法学部教授。専攻、思想史

杉田敦[スギタアツシ]
法政大学法学部教授。専攻、政治理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAZOO

52
市村先生が10年以上前に書かれた政治哲学的な文章に対しての、その後の時代変化を踏まえた上での杉田先生との対話集です。市村先生の論文もかなり歯ごたえがあるのですが、対話自体もかなり高度な内容となっています。そのための注釈がかなりあるので参考にはなるのですが、お二人の高い知性についていくのにはもう少しほかの本を読む必要があると思いました。2015/07/18

КИТАРУ МУРАКАМУ

3
いつぞやか、ある友人が市村弘正という人が凄い、とにかく凄い、そうプッシュしていた。ぼくが、その人のことも、勿論、その人がどのような本を書いて、主張を持っているのかも知らないことを気にせず、彼はぼくというサンドバック相手に語っていた。いわゆる「言葉の拘束性」という問題について興味を持っていた友人で、ハンナ・アーレントをよく好意的に引用するヤツだったが、なるほど確かに本書を読んでいると了解がいく。公的や私的といった言葉の領域、それらが含みこむ「政治性」へのいくつかのヒント、補助線がある。 2012/01/31

Mealla0v0

2
市村の映画批評に、杉田のその読解を直接ぶつける対談の二段構えで構成されている。新書ながら内容は鋭く深い。互い遠慮なく応酬が行われるので、おもしろい。読後の所感としては、日常において戦争が持続しているということ、その戦闘状態への着目が終始一貫している。それは巨大技術による浸透などの、ある種「不可逆的な」歴史過程がある。そこでの闘争の難しさ、敗北主義としてではなく負け方の重要性、日常性への着目、解放理論の刷新など、非常に刺激的な議論が連続している。これらをどのように引き受けて展開していくかが問われる。2020/04/23

スズツキ

2
うーむ。2015/04/02

編集兼発行人

2
クロロキン網膜症水俣病部落差別国鉄解体原発狭山事件といった事例に関するドキュメンタリー映画への批評を巡り交わされる哲学者と政治学者との対談。無為を排除する経済。ユーモアを許さない態度が齎した失敗。「雑」の殲滅。声(や身ぶり手ぶり)と文字との対立において後者に重きを置き過ぎた結果としての歪曲。俯瞰と責任と帝国主義との親和性。境界線を破線にするためのアテンション。社会的な課題の解決に向けた抵抗が困難化してゆく世の中で唯一の有効な手法たり得る「記録」とは如何なる構えであるべきか考察するための手掛かりに富み合点。2013/02/25

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