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中公新書
伊勢神宮―東アジアのアマテラス

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121017796
  • NDC分類 175.8
  • Cコード C1221

出版社内容情報

伊勢神宮の祭神であるアマテラスはどこから来て、どう変身していったのか。東アジアの潮流を見すえながら、神宮の歴史と謎に迫る。

内容説明

伊勢神宮は、日本文化のなかでももっとも日本的なものと思われている。しかし、その誕生から現在まで、伊勢神宮はその姿を大きく変えている。祭神であるアマテラスオオミカミのそもそもの姿とは何か?また、伊勢神宮は千三百年を越える年月の流れのなかでどのように変容していったのか。道教の隆盛や蒙古襲来など、東アジア世界全体の歴史・文化・社会の潮流に目を配りながら、その祖像と変遷を検証する。

目次

第1章 アマテラスの旅路(「アマテル」神社の存在;「アマテル」と「火明命」 ほか)
第2章 中国思想と神宮(なぜ伊勢に鎮座したのか;海の神仙境 ほか)
第3章 神国の系譜(「神国」ということばの由来;『愚管抄』の神国観 ほか)
第4章 近代の神宮(天皇親拝;東京遷都と伊勢行幸 ほか)
第5章 植民地のアマテラス(植民地における神社と教会のちがい;海外神社の誕生 ほか)

著者等紹介

千田稔[センダミノル]
1942年(昭和17年)、奈良県に生まれる。京都大学文学部史学科卒業。同大学大学院文学研究科(地理学専攻)博士課程を経て、追手門学院大学講師、助教授、奈良女子大学教授。大学共同利用機関法人人間文化研究機構・国際日本文化研究センター教授。博士(文学)。専攻・歴史地理学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はちめ

8
アマテラスと伊勢神宮の起源について期待して読み出したが、その当たりについては曖昧な感じ。ただ、神国の起源や植民地におけるアマテラスは興味深かった。本書の副題は東アジアのアマテラスとされており、もともとその当たりがテーマなのだ。GHQが伊勢神宮を調査した際の地元における接待や宿泊に使われた旅館や寿司屋の話など、本書のテーマとは全く関係ないが面白くはある。伊勢神宮に参拝した際はその寿司屋で食べてみたい。☆☆☆☆2021/08/13

うえ

8
著者は歴史地理学者であり独特な切り口。「伊勢神宮のなかに中国土着の宗教である道教の影響はほかにもある。アマテラスの神体を鏡としている点もその一つ…鏡を神とする思想も、すでに福永光司氏が指摘しているように中国の道教思想の影響としてみる以外にはない。より単純化して考えれば、日本の神信仰は大和の大神神社の三輪山を神体とするようなあり方が原初的なものであった。ところが…鏡を神体とするということ自体、神祇信仰の大きな変化があったということになる…鏡を神体とすることは、中国の鏡の思想が日本の神信仰にもたらされたのだ」2019/02/05

波 環

5
ゼミの先生。伊勢神宮は同期が卒論でとりあげ、その図が使われていて懐かしい。当時から道教思想をどう考えるかに興味を示しておられた。基本的に地理の先生なので、面的な拡がりや、時代の集合的な意識としての地名から、往時を再構築していく手法。いつまでもお元気で。2016/01/19

takao

3
中国の影響?2022/09/06

編集兼発行人

3
我国の神話において最上に位置する存在と其の祭殿とに関する考察。各神社に祀られる神々の性格や古墳の発掘結果など様々な要素群を広範に照らし合わせながら最高神の源流と生成について詳細に解説するという構成。類似する名称を有する他神の来歴や神話に残された言葉群の微細な語感から海洋系の特性を導き出した上で源流を辿った果てに大陸は江南の地に行き着くという推測により降臨における垂直的なイメージが水平的に置換され納得。道教の影響を強く残しながらも太陽への信仰を厚くする政権の樹立に伴い権威付けられた新神と東方との関係に合点。2014/10/24

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