中公新書
世界の大学危機―新しい大学像を求めて

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121017642
  • NDC分類 377.2
  • Cコード C1237

内容説明

大学が危機に直面しているのは日本だけではない。先進国の大学は、第二次大戦後に拡張政策をとったために、それぞれ構造的な問題が生じている。古典的な高等教育を維持しようとするイギリス、平等な公立大学の限界から脱出しようとするドイツ、大学以外の高等教育機関との調整に苦慮するフランス、そして、大学院化が一層進むアメリカ。それぞれに事情の異なる各国の対処法から日本の大学が学ぶべきことは何か。

目次

第1章 イギリスの大学
第2章 ドイツの大学
第3章 フランスの大学
第4章 アメリカの大学
第5章 大学拡大政策の背景
第6章 知識のディズニーランド

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

isao_key

4
先日アジアの大学改革についての本を読んだが、この本はイギリス、ドイツ、フランス、アメリカの大学設立の経緯が書かれている。特にアメリカの場合、世界で始めて大学院を設立したジョン・ホプキンス大学についての記述が詳細でわかりやすかった。近代大学の開設はドイツのベルリン大学に始まった。アメリカが大学を開校した当時は、教え方が悪く、教科書をただ丸暗記するスタイルが主流であったので、やる気のある学生はヨーロッパ、特にドイツに留学したという。またヨーロッパの大学の多くは学費が無料か非常に安いという。日本も見習うべき。2013/04/02

KK

2
広く海外の大学の様相がわかり、国の文化が現在の各国の大学文化を形成している事がよくわかった。日本から見ればどの国も一長一短。おそらく日本も外から見れば同じ。自分たちの在るべき方向性を持つ事も大切なことだけど、全ての大学が同じ方向に向く事は必要ないのではないかと思う。2012/08/26

たろーたん

1
意外だったのがドイツの大学には入試がないこと。高校卒の資格があればどの大学にも入れる。それなら中世からある伝統のハイデルベルク大学にいっぱい人が集まり、他はガラガラになるのではないかと思うが、実際はそんなことはないらしい。どこでも入れるから大学名があまり重視されず、人によっては卒業までに2~3の大学を移動する人もいるため、大学名よりも学士や博士、教授の称号の方が重要になるらしい。フランスもグランゼコール以外の大学は無試験で入れ、授業料も1~2万ぐらいだ。(続)2022/10/13

もりたく

1
発売当時に読んだ本だが何となく気になって再読すると目が止まる箇所が随分違ってくる。15年ぶりの再読で気になったのはソ連が導入した「国営大学(公的資金で経営される大学)」「授業料無償制度」「奨学金制度」の三点セットが、社会主義が底流に流れるヨーロッパの政治風土の中で欧州大学に広まっていったという部分。逆に言えばアメリカや日本で私立大学や授業料個人負担が広まったのはソ連型大学モデルの圧力がなかったからとも言える。この辺りは凄く面白い。2018/12/28

ゲスト7

1
微妙32016/06/03

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